【無免許運転でも事情によって逮捕,実刑となることもある】
- 無免許運転をしてしまいました。
逮捕されることもあるのですか。
また,実刑になることもありますか。 - 無免許運転については,前科なし,交通事故なしであれば逮捕される可能性は低いでしょう。
また,同じように悪質な事情がなければ実刑は避けられることが多いです。
1 無免許運転でも事情によっては逮捕されることがある
2 無免許運転で実刑となる相場
3 無免許運転の捜査における証拠収集
4 無免許運転の捜査の進行ペース
5 無免許運転の量刑軽減のための弁護活動
1 無免許運転でも事情によっては逮捕されることがある
逮捕するかどうかは,多くの事情によって決められます。
別項目;通常逮捕の要件は3つある
ただ,一般的・平均的な事例では,特にネガティブな状況がなければすぐに逮捕されることは少ないです。
逆に逮捕される可能性が高まる事情は次のようなものが典型です。
<無免許運転で逮捕される可能性が高まる事情>
・同種の前科や悪質な交通違反歴がある
・執行猶予期間中であった
・交通事故で被害者が怪我をしている
・その後警察(パトカー)から逃走している
2 無免許運転で実刑となる相場
実刑とは,執行猶予が付かない場合,つまり刑務所に行くという判決です。
別項目;『執行猶予』が付くと,刑務所に行かなくて済む
一般的・平均的な例では,特にネガティブな事情がなければ,すぐに実刑ということは少ないです。
実刑となる可能性が高まる事情は次のようなものが典型です。
なお,すべて当てはまっても,始めての公判(正式裁判)であれば,執行猶予となる可能性はあり得ます。
<無免許運転で実刑となる可能性が高まる事情>
・執行猶予期間中であった→ほぼ確実に実刑になります
・同種の前科や悪質な交通違反歴がある
・交通事故で被害者が怪我をしている
・その後警察(パトカー)から逃走している
・以前から無免許運転を日常的に行っていた
・運転する特別な必要性がなかった
3 無免許運転の捜査における証拠収集
無免許運転で検挙された場合に,次のような発想を持つ方もいらっしゃいます。
<無免許運転での検挙後の発想>
日常的に行っていたことがバレるのを防ぐためにナビの履歴を消した方が良い
※ナビゲーションの機能をスマートフォンで稼働することも含みます。
これについては,事実を隠すのは良くないとしか言えません。
仮に警察が調べて履歴が消去されていると,隠しているということになり,マイナスの心証につながることもあります。
また,逮捕につながることにもなりかねません。
意図的に隠したということは,逃亡する可能性があると思われるからです。
なお,最初から自動消去の設定になっている場合にまで疑われる,という行き過ぎの警察官もよくいます。
これも含めて,真相をきちんと説明することが重要です。
4 無免許運転の捜査の進行ペース
無免許運転で捕まり,供述調書作成後,釈放されるケースも多いです。
通常は,しばらく後で検察庁から呼出状が届くことになります。
その後,最終的に,検察官が公判請求(起訴)か略式起訴などを決めます。
別項目;起訴するかどうかは検察官に大きな裁量がある;起訴独占主義,起訴弁護主義
検察官としては,終局処分を決める前に被疑者本人から直接話を聞いて,再度調書を作るのが一般的です。
時期ですが,警察・検察庁の事情によってマチマチです。
呼出状が届くのが,警察の取り調べ後数週間ということもありますし,数か月後ということもあります。
待たされている間に,弁護士と強力して有利な事情を作っておけるとベストです。
5 無免許運転の量刑軽減のための弁護活動
無免許運転の弁護活動では,量刑を軽減することが中心になります。
特に,実刑を避ける,ということが非常に重要です。
なお,無罪を主張する場合はここでは除外します。
処分を少しでも軽くするための典型的な方法をまとめます。
<無免許運転の量刑軽減の事情>
・被告人が法廷で反省,『2度と無免許運転をしない』宣誓を行う
・被告人が反省文を書く
・自動車を売却する
・家族や職場の上司が情状証言を行う
《情状証言内容の例》
『車(キー)には触れさせない』
『自動車を使わない部署へ配置換えする』
・仮に実刑となったら,家庭が惨状に見舞われるという説明をする