マンションの法律問題|専門弁護士ガイド
1 過去の『人の死』と告知義務(売買,賃貸)
2 新築マンション売買と手付解除
3 分譲マンションの総会
4 『バルコニー』も共用部分として管理規約の対象になる
5 マンション管理費は共有者で連帯義務
6 1棟の共有→共有物分割で区分所有にできる
7 賃貸マンションの敷金,原状回復や住人同士のトラブル
8 マンションのサブリース方式でも最高裁が賃料減額を認めた
9 マンション建築と日照権,眺望侵害
マンションに関して,トラブルが生じて,弁護士が解決する案件は多いです。
みずほ中央法律事務所では,マンションに関するご相談,ご依頼を多く扱っています。
トラブルの特徴と解決のポイントをまとめました。
詳しい説明は,リンク先にあります。ご覧ください。
1 過去の『人の死』と告知義務(売買,賃貸)
過去にその場所で事故死や自然死があった,という場合は告知義務の問題となります。
法的には心理的瑕疵,一般的には『ワケあり物件』と言われるものです。
告知義務は死後何年まで続くのかというのは判例による目安があります。
詳しくはこちら|不動産売買・賃貸×過去の人の死|基本|法的構成・責任・発覚ルート
詳しくはこちら|不動産売買・賃貸×過去の人の死|告知義務・損害賠償|包括的判断基準
2 新築マンション売買と手付解除
新築マンションの売買においては,手付解除に特別な扱いがされる時があります。
特にオプション工事が含まれる場合は要注意です。
不動産売買,建築契約の『履行の着手』は移転登記,引渡,建設工事のいずれかである
3 分譲マンションの総会
マンションで行われる総会は,法律上は,区分所有法の『集会』です。
決議する内容によって,必要な賛成の数が違います。
老朽化が進んだマンションでは建替決議で対立が生じることも多いです。
詳しくはこちら|老朽化マンションの急増×対策|建替のハードル緩和の法整備
4 『バルコニー』も共用部分として管理規約の対象になる
分譲マンションでは,各戸の『バルコニー』について,管理規約で制限があることが多いです。
使い方によっては,設備の撤去を請求されることもあります。
マンションのバルコニー等は共用部分の規約の対象,有効性
5 マンション管理費は共有者で連帯義務
マンションの1戸が共有となっているとマンション管理費は連帯債務となります。
詳しくはこちら|共有物に関する負担の対外的効果(不可分債務)
相続後,共有のままにしておくとこれがトラブルに発展することもあります。
詳しくはこちら|共有物に関する負担の基本(具体例・求償・特定承継人への承継)
6 1棟の共有→共有物分割で区分所有にできる
共有の不動産はトラブルを生じることが多いです。
不動産が大きな共同住宅である場合は,区分所有にして戸ごとに分ける,という方法もあります。
共有物分割の中の現物分割という分割方法です。
区分所有とすることを伴う現物分割もできる
7 賃貸マンションの敷金,原状回復や住人同士のトラブル
(1)敷金返還と原状回復義務
賃貸の終了,つまり,明渡の時点で,敷金の返還や原状回復について,対立が生じることが多いです。
敷金返還と原状回復義務;特約の有効性『まとめ』
(2)居住者同士のトラブルでオーナーも巻き込まれる
賃貸マンションでは,居住者同士で嫌がらせなどのトラブルが生じることがあります。
この場合,当事者同士は当然として,オーナー(賃貸人)も責任を負うことがあります。
賃貸マンション;他の居住者からの嫌がらせ
8 マンションのサブリース方式でも最高裁が賃料減額を認めた
投資の一環としてサブリース方式が活用されることは多いです。
オーナーとしては,収入が保証されるというのが特徴です。
詳しくはこちら|サブリースの基本(仕組み・法的性格・対抗要件・利ざや相場)
しかし,判例は減額請求を認めています。結局,決められた賃料額が毎月得られるとは限らないといえます。
詳しくはこちら|サブリースにおける賃料増減額請求の可否(賃貸借該当性)と判断の特徴
9 マンション建築と日照権,眺望侵害
マンションの建築の段階では,日照権や眺望悪化について,対立が生じることがあります。
日照権侵害の違法性は受忍限度で決まる,紛争解決手段
眺望権は権利として認められないが,「眺望地役権」設定は有意義