離婚,不倫などのトラブル解決の流れ|専門弁護士ガイド

離婚や不倫に関するトラブル解決の手続の概要をまとめます。
実際には直接関係しないものもあると思います。
また,これは概要です。
詳しい説明はリンクとして付けてありますので,関係あるものを是非ご参照ください。

また,この流れの前の流れ,つまり,法律相談,ご依頼に関するものは別に説明しています。
別項目;法律相談とご依頼後全体の具体的な流れ

(1)別居

夫婦の関係が悪化した場合,別居に至ることが多いです。
もちろん,同居はしているけど接触がないという家庭内別居ということもあります。

(2)不受理の申出

離婚届のサイン・押印をさせられたという場合もあります。
そのような場合に,不本意に離婚届が提出されても無効です。
しかし,裁判所の手続が必要になり,非常に大変になります。
それを未然に防ぐ不受理の手続をしておくと良いです。
詳しくはこちら|不受理申出により協議離婚届提出を阻止できる,報告的届出は対象外

(3)子供の引渡請求

妻が子供を連れて実家に戻ったというのは典型パターンの1つです。
この場合,子供の取り合いという離婚の前哨戦が始めることになります。
親権者が決まるのは離婚成立の時なので,最後です。
ただ,先行的に子供を引取る者を指定する手続があります。
また,子供との面会だけを求める手続もあります。
状況によっては,よりスピーディーな仮処分が効果的です。
子供に関する手続は細かいものも含めるとたくさんあります。
良いタイミングで適切な手続を行う必要があります。
ノウハウの有無で結果が違ってきます。実績を参考にしてください。
詳しくはこちら|親権者・監護権者の指定の手続(手続の種類や法的根拠)
詳しくはこちら|別居後の子供の奪い合い(誘拐罪の成立・子を引き取る・子と面会する手続)
詳しくはこちら|審判前の保全処分の基本(家事調停・審判の前に行う仮差押や仮処分)
詳しくはこちら|子供の引渡しの強制執行は直接強制と間接強制がある
解決実績|子供の取り戻し

(4)婚姻費用請求(生活費の送金)

離婚の前哨戦のもう1つが毎月の生活費の送金の請求です。
婚姻費用分担金請求と言います。
収入が大きい方にとっては逆兵糧攻めとなります。
婚費地獄としてよく知られています。
婚姻費用の請求だけでも,通知などの交渉,調停,審判という手続が含まれます。
詳しくはこちら|別居中は生活費の送金を請求できる;婚姻費用分担金
詳しくはこちら|婚姻費用分担金の調停,審判;基本
詳しくはこちら|収入大→離婚時の清算が大きくなる;婚費地獄,結婚債権評価額算定式

(5)不倫相手への慰謝料請求

不倫(不貞行為)が発覚している場合,夫婦の問題とは別に不倫相手への慰謝料請求もあります。
交渉,訴訟があります。
夫/妻への離婚請求,慰謝料請求と,不倫相手への慰謝料請求のタイミングについては,決まっていません。
このやり方によって結果が違うこともあります。
非常に高度,複雑な分析・検討が必要です。
詳しくはこちら|不貞の慰謝料|実務的攻防|関係回復誘引・権利濫用・訴訟告知・冤罪サスペンス
詳しくはこちら|不貞の慰謝料|不真正連帯債務|請求するタイミング|同時/時間差方式

(6)離婚の協議

離婚の問題については,最初は協議(交渉)から始めます。
弁護士が受任した場合は,最初に相手に通知書を送付することが多いです。
内容としては,離婚の意思を伝えることもありますが,その後の展開を踏まえて有利な方法を選択します。
依頼者のご意向によっては,修復を求めることもあります。
離婚することの合意(協議離婚)に達した場合は,その条件を離婚協議書として調印します。
詳しくはこちら|関係修復を目指す夫婦円満調停が利用できる,離婚方向でも活用できる
詳しくはこちら|離婚の条件が合意に達した時点で離婚協議書の調印+離婚届提出をすると良い

(7)離婚調停の申立

離婚に向けた交渉が決裂した場合,離婚調停を申し立てます。
調停を省略して最初から訴訟提起ということは原則としてはできません(調停前置主義)。
離婚調停では,本人(依頼者)が参加する原則がありますが,代理人弁護士だけでも問題ないことが多いです。
この運用は細かい例外がありますので,慣れていない弁護士はしっかりとした案内ができません。
離婚調停では,調停委員を通した話し合いが進められます。
また,離婚とは逆に修復に向けた調停もあります。
夫婦円満調停などと略されて呼ばれます。
詳しくはこちら|離婚調停において離婚に合意すると調停離婚が成立する
詳しくはこちら|訴訟対象事件は調停前置が適用される
詳しくはこちら|家事調停・審判・訴訟における当事者本人の出席の要否
詳しくはこちら|関係修復を目指す夫婦円満調停が利用できる,離婚方向でも活用できる

(8)調停に代わる審判(行なわれないことが多い)

法律上,離婚調停が成立しない場合に,裁判所が離婚条件を決める手続があります。
調停に代わる審判と言います。
しかし,特殊な状況でなければ,調停に代わる審判がなされることはほとんどありません。
調停での話し合いが決裂したら,不成立として終了するのが普通です。
詳しくはこちら|裁判所の職権で離婚の審判をする制度はほとんど使われない

(9)離婚訴訟提起・反訴提起

離婚調停が不成立で終わると,離婚訴訟の提起ができます。
離婚訴訟では,両方が離婚原因離婚原因がないことを主張します。
一般的には,それぞれ相手の責任を主張します。
最初に被告となっていた者は反訴を提起するという意味です。
もちろん,手続としては一体として進みます。
詳しくはこちら|離婚訴訟の判決確定,和解成立によって裁判離婚が成立する

(10)和解勧告

通常,裁判官から和解勧告がなされます。
それまでに両方から提出された主張(訴状,準備書面)や証拠によって,和解勧告の内容が変わります。
テンポよく,有利な事情の主張証拠を裁判所に提出することが有利な和解獲得につながります。
実際には,判決と同じくらいの割合で和解が成立しています。
詳しくはこちら|ご相談者へ;訴訟;判決/和解レシオ

(11)判決

和解が成立しない場合,審理が進められ,最終的には,裁判所が両方の主張,証拠を検討して判断します。
親権者養育費財産分与慰謝料などの離婚条件を決めて離婚を認めるケースが多いです。
詳しくはこちら|離婚訴訟では,結論としての棄却判決は少ない
詳しくはこちら|離婚訴訟提起後に被告が『離婚する意向』を表明すると認容可能性が高まる

(12)控訴・上告

判決内容に不服がある場合,控訴上告ができます。
しかし,通常は,特殊な事情がないと判決を覆すことは難しいです。
その意味では,第1審での主張,立証は非常に重要です。

(13)養育費の増額,減額

無事,離婚の手続が終わった後も,決められた額の養育費の支払は続きます。
この点,離婚後の経済的状況の変化があると,養育費の増額や減額請求が認められることがあります。
詳しくはこちら|元妻,夫の再婚,養子縁組,出産により養育費の変更が認められる
詳しくはこちら|養育費の一括払いの後の追加請求が可能なこともある

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