解決実績|遺言の有効/無効

1 『代筆による遺言』を無効にできた
2 判断能力がない時に書かれた遺言を無効にできた
3 『名前』を書き間違えた遺言だったが,『有効』と認める判決獲得

1 『代筆による遺言』を無効にできた

<解決実績>

あ 事例

父が亡くなった後,遺言が発見されました。
遺言は相続人Aが代筆したものでした。

い 経過

他の相続人Bから依頼を受け,『遺言が無効である』と主張して交渉しました。
交渉が決裂したので訴訟を提起しました(遺言無効確認請求訴訟)。
裁判所は,故人の遺言作成日時期に,『文字を書くことができず,Aが記載した』ことを認定しました。

う 解決

裁判所は遺言は無効という判断を下しました。
その結果,法定相続による遺産分割が可能となりました。

2 判断能力がない時に書かれた遺言を無効にできた

<解決実績>

あ 事例

当初,父は兄弟(A,B)平等の内容の遺言を作成しました。
その後,『兄弟の1人Aだけに全財産を相続する』内容の遺言を作成しました。
Bとしては,『後の遺言』の時には父が認知症であるため,本意ではないと考えました。

い 経過

Bから依頼を受け,弁護士は,『後の遺言は認知症になった時点で作成されたため,無効である』と主張しました。
同時に,法定相続によった割合による不動産の移転登記を行いました(保存行為)。
Aは,『遺言は有効。Aだけの相続が正しい』と主張して提訴しました。
裁判所は,後の遺言が作成された時点の父の状況を詳しく審理しました。

う 解決

裁判所は,『後の遺言作成当時,記憶障害や徘徊などがあった』ことを認定しました
遺言能力はなかったと判断し,遺言無効の判決を下しました。
結局,『最初の遺言』に基づいた遺産承継が実現しました。

3 『名前』を書き間違えた遺言だったが,『有効』と認める判決獲得

<解決実績>

あ 事例

父が生前に作成した公正証書遺言の署名が,後から見たら『父の名前』ではなく,『子の名前』でした。
遺言内容が自分に不利であった子Aは他の子Bに対して,『遺言は無効である』と主張しました。
Bとしては,父の署名であることは明らかなので『遺言は有効』であると主張しました。
Aが提訴して来ました。

い 経過

Bから依頼を受け,弁護士は過去の判例など,法的な理論を中心に反論しました。
『自筆証書ではなく,公証人が関与する公正証書遺言なのだから,名前を書き間違えた場合でも父本人であることは明らかである』という主張です。

う 解決

裁判所は,遺言は有効という判決を下しました。

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詳しくはこちら|自筆証書遺言は日付,氏名,押印の不備で無効とならないこともある
詳しくはこちら|公正証書遺言の無効リスク極小化と無効事由(全体・主張の傾向)

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