【職場でのSNS利用の監督|アクセスログチェック・アカウント届出制・緊急対応】

1 職場のSNS被害予防|アクセス・ログ・チェック×適法性
2 職場のSNS被害予防|アカウント届出制→原則NG
3 職場のSNS被害予防・解決|緊急対応マニュアル

本記事では,SNSガイドライン以外の『職場におけるSNS利用の監督』について説明します。

1 職場のSNS被害予防|アクセス・ログ・チェック×適法性

職場の仕事用の端末(PCなど)を従業員が『私用』することは自由ではありません。
そこで雇用主としては『監視』の義務・権限があると言えます。
一方で『監視する内容』によっては『過度なプライバシーへの干渉』となってしまいます。
この『線引』について,裁判所の判断をまとめます。

<雇用主による従業員の『アクセス・ログ』チェック×適法性>

あ 適法性の基準

社会通念上相当な範囲を逸脱した監視がなされた場合
→プライバシー権の侵害となる

い 判断要素

『監視の目的・手段・態様』と『監視対象者の不利益』を比較考量する
※東京地裁平成13年12月3日;私用メール閲覧事件
※東京高裁平成17年3月23日;労働政策研究・研修機構事件

2 職場のSNS被害予防|アカウント届出制→原則NG

企業が『従業員個人のSNS利用で被害を受ける』ことが実際に生じています。
そこで『監督の一環』として『従業員のSNSアカウントを把握する』という発想があります。

<アカウント・IDの届出制>

あ 業務用・企業の公式アカウント;『中の人』用

企業側で把握・管理するのは当然

い 個人用アカウント

私生活の領域→違法となる方向性
※森亮二『従業員によるソーシャルメディア利用のリスクとその対応』NBL_No972p21

当然ですが,従業員のプライベートに大きく関わります。
原則的には雇用主が従業員のSNSの利用を積極的に把握することは『過剰』と言えましょう。
逆に特殊な事情があれば『相互監視』としてSNSアカウントの把握は適切という場合もあります。
例えば『非常に規模の大きい極秘プロジェクト』のティームメンバーなどのケースです。

3 職場のSNS被害予防・解決|緊急対応マニュアル

SNSガイドラインはSNSを利用する上での根本的な指針をまとめるものです。
その一方で『万一緊急事態が生じた場合の具体的な対応内容』も重要です。
SNSガイドラインとは別に『緊急対応』を具体化しておくことが推奨されます。

<SNS緊急対応マニュアル>

あ 『炎上』『祭り』の鎮火のポイント

初期段階・初動が重要

い スピーディー・適切な初動の準備

予め『初動』の内容を決めておくと良い
→決めていないと具体的行動の決定までに時間がかかってしまう
=『どうしたら良いだろうか』で迷いが生じる
=検討・判断に時間がかかってしまう

う 特定すべき事項=マニュアル明記事項

発信する情報・内容・タイミング・具体的方法
情報発信の担当者・判断権限者=責任者

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【職場のSNSガイドライン|骨子|従業員のプライベートの尊重・運用面】
【SNSガイドライン|サンプル|1総論】

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