【SNSガイドライン|サンプル|2共通事項】
1 共通|発言・投稿禁止事項|会社・関連企業の機密事項【条項例】
2 共通|発言・投稿禁止事項|法令違反・倫理に反する発言【条項例】
3 共通|発言・投稿禁止事項|第三者の権利・利益侵害【条項例】
4 共通|心構え|影響の大きさを理解する【条項例】
5 共通|会社に関係する立場・内容→影響に注意【条項例】
6 共通|否定的な投稿・反論→一呼吸置こう・迷ったらやめる【条項例】
7 共通|心構え|感情を抑える【条項例】
8 共通|根拠のない情報・不正確・曖昧は控える【条項例】
9 共通|心構え|価値の提供【条項例】
10 共通|SNSシステムの把握【条項例】
11 共通|誤った情報の投稿・発言時の初期対応【条項例】
12 共通|誤った情報・抽象的な投稿を『された』場合【条項例】
本記事はSNSガイドライン・サンプルのうち『公式発言/プライベート』の『共通事項』部分です。
1 共通|発言・投稿禁止事項|会社・関連企業の機密事項【条項例】
『公表すべきではない』情報があります。
『ごく親しい人しか見ていない』と思っても『想定外の拡散』となることもあります。
『多くの人が見る可能性がある』ということをしっかりと認識してください。
<投稿・発言してはいけない内容>
あ 会社に関する機密事項|例
ア 訴訟・裁判・その他の紛争に関する情報イ 財務・業績・人事に関する情報ウ 将来の業績予測・事業計画エ 製品情報・戦略・将来展望
進行中の企画内容・システムの使用など
オ 『買収・業務提携・業務移管(事業譲渡)』の予定
提携内容・提携先企業・関連する企業の情報も含む
カ 業務・取引内容・取引商品・取引先キ 子会社・関連会社に関する上記の事項
※公表・公開した後の情報は除く
い 会社のお客様・ビジネス・パートナー・取引先に関する機密情報
会社が業務上保有している顧客・取引先・業務関係者の情報
例;氏名・会社名・担当者名・住所・電話番号・メールアドレス
う 機密情報を推測させる間接的な情報
上記の機密情報そのものではなくても『それと分かる』情報
=会社・個人が特定できるような投稿・発言
《具体例》
ア 旅程・現在位置に関する詳細な情報イ いつどこで仕事をしたか
『機密情報』などは,各自がすぐに判断できないこともあります。
そのような場合はSNS責任者に問い合わせて確認してください。
2 共通|発言・投稿禁止事項|法令違反・倫理に反する発言【条項例】
<投稿・発言してはいけない内容>
あ 法令違反・倫理に反する内容
ア 法律・法令などに違反する内容イ 就業規則その他の会社内部のルールに違反するウ 公の秩序・善良な風俗に反する内容エ わいせつな内容・表現オ 虚偽の事実・真実と異なる内容・単なる噂・噂を助長させる内容カ 有害なプログラムなど
い 法令違反・倫理に反するおそれのある内容
上記内容に該当するおそれがある内容
3 共通|発言・投稿禁止事項|第三者の権利・利益侵害【条項例】
<投稿・発言してはいけない内容>
あ 第三者の権利・利益侵害にあたる内容
ア 特定の個人・団体等を誹謗中傷する内容イ 著作権・商標権・肖像権などの知的所有権を侵害する内容ウ 個人情報を特定・開示・漏えいする内容 プライバシー権侵害となる
<第三者のコンテンツ利用>
第三者の権利・利益を含むコンテンツを使用する場合
ア コンテンツの利用許可を得る(得ていることを確認する)イ 投稿の中で権利者を明記する
4 共通|心構え|影響の大きさを理解する【条項例】
(1)影響の大きさを理解する
投稿・発言は,予想を超えて大きな影響を生じる可能性があることをしっかりと認識してください。
投稿・発言は,世界中の人が瞬時に閲覧可能です。
予想を超える早さで広範囲に『拡散』することもあります。
そして情報の拡散を『止められない・解消できない』ことも生じます。
『読者を楽しませよう』という気持ちがあると『リスク』を見過ごしがちです。
そのような忘れがちな『リスク』をよく理解しましょう。
<SNS投稿のリスクが低く見積もられる理由>
あ 文章の分量が少ない
twitterの場合テキスト140文字以内
い 投稿の作業が少ない
アプリ・ブラウザから直接入力→投稿ボタン,だけ
う 流通量が膨大→感覚麻痺
多くのユーザーの投稿が常時流れている
その中には『おもしろい』『きわどい』ものも含まれる
え 2次的な『拡散』が容易
『投稿を読んだユーザー』が『送信』することが容易(twitterの『リツイート』)
お 削除による『拡散解消』が不可能
投稿の『削除』は容易でも『拡散した情報』は消せない
→半永久的に情報がオンライン上に存続する
か 2次的読者は『疎遠』→ジョークを真顔で受け止める
知っている人にはギャグでも,一見さんには深刻文章
き 2次的『拡散』を忘れがち
日頃『いつものフォロワー』との相互コミュニケーションが行なわれている
→『その先への拡散』を意識しない傾向が生じる
例;転送(リツイート)・検索(検索エンジン)
く 匿名性
『責任追及を受けないだろう』という感覚が生じる
なお,法的責任が発生すると,投稿者の調査→特定可能性がある
け 異文化エリアへの伝達|グローバルな影響
インターネット上の情報は世界中の人が瞬時に閲覧可能である
=文化(エリア)の境を超える
→ある地域では正しい発言であっても,別の地域では不適切or違法となる可能性がある
詳しくはこちら|SNSの法律問題発生メカニズム|気軽→心のブレーキが効かない
(2)だろう運転はNG・かも知れない運転を励行のこと
自動車の運転と同じです。
『いつものメンバーしか見ていないだろう』は,思わぬ惨事を招く要因です。
『誰かが見ているかも知れない』という『かも知れない運転』を徹底してください。
(3)トラブル典型例の把握
SNSへの投稿・発言についてのトラブルの典型例は本ガイドラインでもまとめてあります。
擬似的に『失敗による経験』をしておくことは非常に有益です。
5 共通|会社に関係する立場・内容→影響に注意【条項例】
(1)会社と個人の発言の『関係性』
会社に関係する『立場(肩書)』『内容』の発言では『会社への影響』をしっかりと認識してください。
<意識すべき『会社への影響』>
あ 会社→あなた→社会
会社のブランド価値・イメージはすべての構成員(従業員)により示されること
い 社会→あなた→会社
各従業員が公表する内容が会社のブランド価値・イメージを作る・影響を与えること
(2)会社と『反する』個人の発言には要注意
<会社と従業員個人が『反する』発言>
従業員個人が『会社としての公式見解や利益』に反する立場を公言した場合
→議論・憶測が生じやすい
→会社のブランド価値の毀損につながる
6 共通|否定的な投稿・反論→一呼吸置こう・迷ったらやめる【条項例】
投稿・発言をする時に,迷う・躊躇する,ということがあります。
このような場合は,ひとまず送信をやめておく,というスタンスも良いでしょう。
ちょっと時間を置いて改めてみると,冷静に戻って違う考えになっていることも多いです。
7 共通|心構え|感情を抑える【条項例】
インターネットでは,第三者の発言で気分を害されることもあるでしょう。
『反撃』をするとお互いにエスカレートし,止められなくなります。
喧嘩・挑発を仕掛けてはいけません。
喧嘩・挑発に乗ってもいけません。
また,自分の間違いがあれば冷静になり,速やかに訂正しましょう。
8 共通|根拠のない情報・不正確・曖昧は控える【条項例】
(1)根拠のない情報・噂は避ける
根拠のない発言は信用性を落とします。
いわゆる『噂』に対しては『ノー・コメント』が推奨されます。
否定・肯定・いずれかをほのめかすようなそぶりも,憶測を生じます。
(2)明確な発言・根拠を示す
根拠があっても,曖昧な発言・表現が誤解を生じることもあります。
憶測を元にした新たな議論・憶測が生じる,という好ましくないスパイラルに陥ることが多いです。
トラブルの『元』を作ることは未然に回避しましょう。
根拠がしっかりとした,正確な表現・発言を意識的に行いましょう。
根拠がオンラインであればリンクを貼ると良いでしょう。
また,文字制限などの環境による制限のため,正確な伝達が困難な場合もあります。
その場合も,より詳細な発言内容(フルバージョン)へのリンクを貼るとベストです。
9 共通|心構え|価値の提供【条項例】
投稿・発言においては『価値を提供する』ということを意識しましょう。
『値打ちのある』情報・見識を社会に提供しましょう。
10 共通|SNSシステムの把握【条項例】
『公開される範囲』を誤解していたために『想定外の情報漏洩』が生じるケースもあります。
利用するSNSのシステム・サービス内容・機能・特徴を十分に把握してください。
11 共通|誤った情報の投稿・発言時の初期対応【条項例】
SNSでの発言・コミュニケーションでは『誤った投稿』が生じてしまうこともあるでしょう。
そのような時には動揺・動転して事態を悪化させる,ということを避けるべきです。
次のような対応が好ましいでしょう。
(1)最初の対応(初動)
<誤った投稿・発言→最初の対応の注意>
あ 原則;『削除』はしない
一度投稿した内容は削除しない
別途修正の内容を投稿・発言する
い 例外
『発言・投稿自体が禁止されている』内容の場合
→削除する方が良い
例;機密情報
(2)収束への努力
生じたトラブルの解消に向けた行動は次のような方針が望ましいでしょう。
<トラブルを『作ってしまった』場合の対応>
ア 修正の内容を投稿するなどの対応を速やかに行うイ 誠実・真摯・迅速に対応するウ 無用な議論を避ける
12 共通|誤った情報・抽象的な投稿を『された』場合【条項例】
SNSでは『被害者』となることもあります。
従業員個人や会社に被害が及ぶような投稿を目にした場合は,次のような方針で対応してください。
<個人・会社が『被害』を受けた場合の対応方針>
あ 個人・会社が『被害』を受ける状況
ア 犯罪被害orそのおそれが発生した場合|例
・公式アカウントへの不正アクセス
・脅迫・詐欺などの疑いのある投稿
イ 会社・ブランドについて攻撃的・中傷的な投稿
例;苦情・誹謗中傷が殺到する『炎上・祭り』というような状態
い 対応の方針
ア 自分の判断で反論や議論を展開しないイ SNS責任者に連絡し,対応を委ねる
愛社精神による行動でも『炎上』などの悪影響につながることもあります。
会社を代表して発言するのは『研修終了認定』を行った公式の立場の人(中の人)のみです。
SNS上で気になる投稿・発言に気付いた場合は,SNS責任者に連絡してください。
SNS責任者は,警察への連絡・通報を含めて最善を尽くします。