【供託|基本|趣旨・制度概要・5つの種類・利用する具体的状況】
1 供託|基本事項|趣旨・制度概要
2 供託|種類=弁済供託・担保保証供託・執行供託・保管供託・没取供託
3 供託物の払渡し=還付・取戻
4 供託を利用する具体的な状況
1 供託|基本事項|趣旨・制度概要
『供託』という制度は広い範囲で活用できます。
まずは供託制度の基本事項をまとめます。
<供託|基本事項>
あ 保管・管理
金銭,有価証券などを供託所に提出して,保管・管理を委ねる
い 最終的な受領者の取得
最終的に,供託所が供託物を『受領すべき者』に取得させる
う 利用できる場合
法律上規定されている場合にのみ利用できる
え 管轄=法務局
法務局の1部署が『供託』の手続・業務を行っている
2 供託|種類=弁済供託・担保保証供託・執行供託・保管供託・没取供託
供託は,法律で決められた状況でのみ利用できます。
実際に規定されている供託のバリエーションをまとめます。
<供託|種類>
あ 弁済供託
弁済のために行う供託
※民法494条〜
詳しくはこちら|弁済供託|基本|制度趣旨・被供託者|受領拒否/不能・債権者不確知
い 担保保証供託
『担保』として行う供託
ア 裁判上の保証供託イ 営業上の保証供託ウ 税法上の担保供託
う 執行供託
強制執行手続の一環として行う供託
え 保管供託
保管のために行う供託
お 没取供託
没取の目的物の供託
3 供託物の払渡し=還付・取戻
供託は金銭などを法務局に預ける,というのがスタートです。
『当事者が受領する』ことによって手続が完了します。
『還付・取戻し』という手続です。
総称して『払渡し』と言います。
用語を誤解しやすいところなので,まとめておきます。
<供託物の払渡し>
あ 還付請求;正常終了
『権利者=被供託者』が受領する手続
『本来の目的』を達成する
い 取戻請求;異常終了
『供託者』が受領する手続
『本来の目的』を達成しない
事情の例;供託が無効であった・供託原因の消滅
4 供託を利用する具体的な状況
供託手続の趣旨・基本事項はシンプルです。
実際には民事的なトラブルの中で使われるのが通常です。
供託に関連して問題が生じる典型的状況はいくつもあります。
それぞれ別記事で説明しています。
(1)弁済供託に関係する法律問題
詳しくはこちら|賃貸借におけるオーナーの行方不明|供託・失踪宣告・不在者財産管理人
詳しくはこちら|賃貸借・解除後の賃料支払vs受領拒否|留保付き受領・供託
詳しくはこちら|弁済供託をされた債権者のリスクや対抗策(条件付受諾・取戻請求権の仮差押)