【最新アプリ×プライバシーなどの法律問題|カレログ・メールトラップ!】
1 『カレログ』(アプリ)|機能概要
2 『カレログ』×法的問題|プライバシー・オンライン情報の不正取得
3 『メールトラップ!』(アプリ)|機能概要|不正ロック解除対策
4 『メールトラップ!』×法律解釈論|『不正への対応』は保護される傾向
5 注意事項|サイエンス・テクノロジー×有益/有害問題
1 『カレログ』(アプリ)|機能概要
『カレログ』というスマートフォンのアプリが話題となっています。
<『カレログ』(アプリ)|機能概要>
あ 想定される代表的使用例
ア 当事者
観察対象者=男性(と想定)
観察する者=女性(と想定)
イ 具体的使用例
男性が保有しているスマートフォンに『カレログ』をインストールする
女性が保有しているスマートフォンに『男性の情報』が送信される
い 送信される情報
ア 位置情報イ 音声(マイクからの集音)ウ 画像(キャメラからの映像)エ 通話内容 ※現在では機能が変更されています。
言わば,『カレ』の動きを『彼女』が把握する,というコンセプトです。
2 『カレログ』×法的問題|プライバシー・オンライン情報の不正取得
<『カレログ』×法的問題>
あ 民事責任
プライバシー権侵害に該当する可能性
い 刑事責任
次の犯罪に該当する可能性
ア 不正指令電磁的記録作成等イ 不正指令電磁的記録取得等
※刑法168条の2,168条の3
『カレ』の承諾がなければこのような法的問題を生じる可能性があります。
3 『メールトラップ!』(アプリ)|機能概要|不正ロック解除対策
メールトラップ!というアプリも最近話題となっています。
<『メールトラップ!』(アプリ)|機能概要>
あ 機能概要
起動時に画面上で暗証番号の入力を求める
正解しないとインカメラで撮影する
う 実質的機能
結果的に『所有者以外が無断で解除にトライした』場合
→侵入にトライした者の顔写真が記録化される
4 『メールトラップ!』×法律解釈論|『不正への対応』は保護される傾向
メールトラップ!の法律解釈論をまとめます。
判例があるわけではないのでしっかりした基準などはありません。
<『メールトラップ!』×法律解釈論>
あ 形式論
顔写真を無断で撮影する
→プライバシー・肖像権侵害の可能性がある
い 既存の解釈論
犯罪・権利侵害への法的な対応・責任追及のための証拠保全
→保護される方向性
関連コンテンツ|肖像権|人物の撮影→公表は肖像権侵害になる|差止・損害賠償請求
関連コンテンツ|民法上の正当防衛|加害行為の違法性の要否|必要性・相当性|防衛の意思
う メールトラップ!|撮影経緯の特殊性
不正にパスワードを解除しようとした者が撮影される
→撮影に至った経緯は『被写体の責任(帰責性)』が大きい
→権利侵害が否定される方向性
当然,法律面以外でも影響をケアすべきという指摘があります。
<『メールトラップ!』|法律面以外での心配>
人間関係・信頼関係の損傷
5 注意事項|サイエンス・テクノロジー×有益/有害問題
最後に一般的な注意を付記しておきます。
まずは,サイエンス・テクノロジー一般について言える問題をまとめます。
<サイエンス・テクノロジー|有益/有害問題>
あ 有益/有害問題|法則
あらゆるサイエンス・テクノロジーは使い方で効果が決まる
有益にも有害にもなる
い 有益/有害問題|例
核分裂のテクノロジー
良い活用 | 悪用(故意) | 誤用(過失) |
発電・放射線治療・ゴムの強化 | 原子力爆弾→軍用 | 原発事故 |
当事務所からの注意事項です。
<みずほ中央・注意事項>
当サイト・当事務所は法律の悪用を推奨するものではありません
『悪用』は法解釈・適用において,不利な結果につながる力学が働きます
また,サイエンス・テクノロジーについても悪用を推奨しません
当事務所は具体的な行為の結果を保証するものではありません