【旅館業法|行為規制|施設利用基準・宿泊者名簿・利用拒否NG】
1 衛生措置義務|概要
2 施設利用基準
3 サービス提供義務|拒否事由
4 宿泊者名簿管理義務
5 行政による監督関係|調査を受ける義務・行政処分
1 衛生措置義務|概要
『旅館業法』の規制は『許可制=参入規制』と『行為規制』に分けられます。
本記事では行為規制について説明します。
行為規制とは許可を得て営業をしている場面での規制という意味です。
まずは衛生に関するルールを紹介します。
<衛生措置義務|概要>
営業者は,衛生に必要な措置を講じる義務がある
例;換気・採光・照明・防湿・清潔
※旅館業法4条1項
さらに条例や通達で内容が細かく決められています。
詳しい内容は別に説明しています。
(別記事『衛生措置義務|基本』;リンクは末尾に表示)
2 施設利用基準
施設利用に関する基準を順守する義務があります。
<施設利用基準>
あ 施設利用基準|基本
営業者は次の『い・う』の基準を順守する義務がある
い 善良風俗維持|一般
善良の風俗が害されるような物件を施設に掲示or設置しない
例;文書・図画
う 善良風俗維持|AD
善良の風俗が害されるような広告物を掲示しない
※旅館業法4条3項
え 違反への罰則
行政処分の対象となる
刑事罰の規定はない
※旅館業法7条の2,8条
※旅館業法施行令3条
3 サービス提供義務|拒否事由
宿泊サービスを拒否できない,というルールもあります。
<サービス提供義務|拒否事由>
あ サービス提供義務|原則
『拒否事由』に該当しない場合
→営業者は宿泊サービス提供を拒否できない
い 拒否事由|伝染病
ユーザーが伝染性の疾病にかかっていると明らかに認められる
う 拒否事由|違法行為・風紀乱し
ユーザーが違法行為or風紀を乱す行為をするおそれがある
例;とばく
え 拒否事由|リソース不足
ア 宿泊施設に余裕がないイ 都道府県が条例で定める事由に該当する ※旅館業法5条
このルールを民泊に適用するのは不合理であるという指摘がなされています。
4 宿泊者名簿管理義務
行為規制の中には『宿泊者名簿』に関するものがあります。
さらに通達でも一定の対応が要請されています。
例えば外国人の身分確認などです。
これらについてはまとめて別に説明しています。
(別記事『旅館業法|宿泊者名簿』;リンクは末尾に表示)
5 行政による監督関係|調査を受ける義務・行政処分
行為規制には,上記のほかに『行政の監督』に関するルールがあります。
立ち入り調査や行政処分を受けるというものです。
これらについては別に説明しています。
(別記事『旅館業法|行政処分』;リンクは末尾に表示)