【軽犯罪法『追随等の罪』|具体的事例・判例|ナンパ・カメラ小僧・一目惚れ】

1 追随等の罪|判例|ナンパ・浅草・ストリート
2 追随系会話に関する用語×語源
3 追随等の罪|判例|組合活動→無罪
4 追随等の罪|略式命令|カメラ小僧事件
5 追随等の罪|略式命令|一目惚れ事件

1 追随等の罪|判例|ナンパ・浅草・ストリート

軽犯罪法に『追随等の罪』があります。
(別記事『追随等の罪・基本』;リンクは末尾に表示)
本記事では実際に有罪/無罪となった事例・判例を紹介します。
『適法/違法の境界』が曖昧だということを感じるテーマです。

<追随等の罪|判例|ナンパ・浅草・ストリート>

あ 時代背景

昭和35年・浅草雷門・ストリート

い 声掛け

男性Aが通行人女性Bに『実演と映画を見ませんか』と話しかけた
その上で追随した

う 裁判所の判断

Bに『迷惑を覚えさせるような仕方で同人につきまとつた』と認めた
→拘留20日

え Aのセリフ|時代描写

『その人にバンかけたことは間違いありません。』
意味内容は後述する
※東京高裁昭和36年8月3日

用語的な部分にちょっと説明が必要です。
次にまとめます。

2 追随系会話に関する用語×語源

『追随等の罪』に関する行動では用語が難しいことがあります(前記)。
時代の変化も含めて簡単に整理しておきます。

<追随系会話に関する用語×語源>

今/昔 用語 語源
『バンカケ』 職務質問における『こんばんは』という声掛け
『オープナー』 会話のオープン

3 追随等の罪|判例|組合活動→無罪

追随等の罪として『無罪』と判断された事例もあります。

<追随等の罪|判例|組合活動→無罪>

あ 事案

組合活動としてAが相手方Bの動静探索目的の尾行を行った

い 裁判所の判断

追随等の罪の構成要件に該当する
しかし,違法性が阻却される
→追随等の罪は成立しない
→無罪
※東京高裁昭和41年12月27日

4 追随等の罪|略式命令|カメラ小僧事件

社会的に権利意識が強くなってきています。
キャメラマンも『犯罪・逮捕』と隣合わせの業務なのかもしれません。

<追随等の罪|略式命令|カメラ小僧事件>

女子高校生に対して執拗につきまとった
『写真を撮らせてくれませんか』などと声をかけた
→略式命令の請求がなされた
※『月報司法書士2015年9月』日本司法書士会連合会p54〜55

5 追随等の罪|略式命令|一目惚れ事件

恋愛も程度によっては『法的な限界』があります。
『熱意』から『犯罪』の領域に入ってしまったケースを紹介します。

<追随等の罪|略式命令|一目惚れ事件>

女性が帰宅途中に最終電車を降りた
その後方から300メートルにわたって追随した
その数日前に『付き合ってくれませんか?』と声をかけていた
→略式命令の請求がなされた
※『月報司法書士2015年9月』日本司法書士会連合会p54〜55

なお,状況によっては『ストーカー規制法違反』となることも十分にあり得ます。
詳しくはこちら|軽犯罪法『追随等の罪』・ストーカー規制法・客引き行為|基本

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