【解雇無効|和解金相場・所要期間・和解勧告に向けた実務的攻防】
1 労働審判・訴訟×和解勧告|実務的攻防
2 解雇無効の紛争×和解金相場・目安
3 解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・目安
4 解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・変動要素
1 労働審判・訴訟×和解勧告|実務的攻防
労働審判・訴訟の実際の遂行では『和解勧告』が重要です。
『和解勧告』に関して次にまとめます。
<労働審判・訴訟×和解勧告|実務的攻防>
あ 統計×和解成立
裁判所が積極的に和解勧告を行うことが多い
→統計上,和解が成立するが多い
詳しくはこちら|ご相談者へ;訴訟;判決/和解レシオ
い 和解勧告|基本
主張する事情+裏付ける『証拠』が和解勧告の内容につながる
主張・立証の完成度が高い場合
→裁判所の勧告する『和解金の金額』が高くなる
要するに『期待値』の考え方と同様である
う 和解勧告|金額の考え方
仮に解雇が『無効』となったとすると
→紛争期間中の『給与支払義務』が生じる
労働審判→訴訟の審理期間を1年程度とする(後記)
→1年分の給与支払義務が生じる+その後の給与も発生する
→この『支払義務の可能性』が提案額の『上乗せ要因』となる
ストレートに『有利な判決・審判』を実現する,というわけではないのです。
和解勧告の内容を有利にすることが当面のターゲットなのです。
なお,理論的な支払義務の内容は別に説明しています。
(別記事『解雇無効|請求内容』;リンクは末尾に表示)
また,上記のように『労働審判・訴訟』の所要期間が関係しています。
これについては後述します。
2 解雇無効の紛争×和解金相場・目安
解雇無効を争う紛争での和解金の相場をまとめます。
<解雇無効の紛争×和解金相場・目安>
あ 標準的相場・目安
解雇無効認定の可能性 | 和解金相場 |
高い | 給与1年分程度からさらに上乗せする |
50%程度 | 給与1年分程度 |
低い | 給与1年分程度からディスカウントする |
い 変動する要素
ア 有期雇用/無期雇用イ 慰謝料認定可能性
あくまでもこれは目安です。
個別的事情で大きく変動することもあります。
ご注意ください。
3 解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・目安
前述のように和解金相場に『手続の所要期間』が影響しています。
解雇無効に関する労働審判・訴訟の所要期間の目安をまとめます。
<解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・目安>
あ 労働審判|期間・目安
約3か月程度
い 訴訟|期間・目安
約半年〜1年程度
あくまでも標準的な目安です。
個別的事情により大きく変動することもあります。
変動する事情・要素については次に説明します。
4 解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・変動要素
解雇無効の労働審判・訴訟の所要期間は事情によって変動します。
典型的な変動要素・事情をまとめます。
<解雇無効|労働審判・訴訟|所要期間・変動要素>
あ 基本的事項
次のような事情により『目安』から大きく外れることもある
い 事情・争点が複雑→長期化
当事者の主張の食い違いが多いと審理に時間がかかる
う 和解成立→期間短縮
和解が成立する場合
→判決・審判よりも短期間で済む
ただし『交渉プロセス』で長期化するケースもある
え 和解交渉→長期化
双方の提案条件の検討が繰り返されると長期間する
例;双方の希望が近いため持ち帰ることが続く