【シェアリング|時代変化|官製マーケットからゲリラマーケットへ】
1 ゲリラ登場『前』|情報流通の独占×官製マーケット
2 ゲリラ登場『前』|グレーゾーン=緩衝地帯
3 ゲリラ登場『前』|官製マーケット×事業者の関心
4 ゲリラ登場|要因=情報流通の民主化×マーケット自由化
5 ゲリラマーケット×事業者の関心
6 官製/ゲリラマーケット×事業者の関心
7 大貧民×革命|ゲリラマーケット登場→逆転現象
1 ゲリラ登場『前』|情報流通の独占×官製マーケット
近年は,シェアリング・マッチングサービスの普及が進んでいます。
マーケットの状況は『ゲリラ性』があります。
(別記事『ゲリラマーケット・基本』;リンクは末尾に表示)
本記事ではゲリラマーケット登場の経緯・時代変化について説明します。
まずは過去のマーケットの特徴をまとめます。
ゲリラマーケットが登場したからこそ,過去の特徴が際立ってみえます。
<ゲリラ登場『前』|情報流通の独占×官製マーケット>
あ 情報流通の独占
『消費者=マーケット』への発信手段が『独占』されていた
独占主体=マスメディア
例;テレビジョン・ラジオ・書籍・雑誌
広範囲への伝達自体で『大資本』に優位性があった
小規模企業・個人は事実上参入が阻止されていた
い 官製マーケット
サービス提供者は『大企業』が多かった
行政と大企業は『法規制』では利害が一致していた
ア ロビー活動
大企業優位の立法・運用
イ 合法賄賂
例;天下りの受け入れ×社外取締役の法的強制(会社法改正)
詳しくはこちら|社外取締役|設置義務・定義|責任の一部免除・責任限定契約|官製マーケット創設
2 ゲリラ登場『前』|グレーゾーン=緩衝地帯
過去の官製マーケットでは『グレーゾーン』が創設されてきました。
言わば『緩衝地帯』のような状況です。
<ゲリラ登場『前』|グレーゾーン=緩衝地帯>
事業者は一定のビジネス領域には踏み入れない現象が生じた
法的根拠のない行政指導に盲従する状態が普通になった
→裁判所が正式に適法性の判断を下すことがない状態
=判例が作られない状態
→『判例なし×サービス提供者なし』のビジネス領域発生
→現在,ベンチャーにとっての『鉱脈』となっている(後記)
3 ゲリラ登場『前』|官製マーケット×事業者の関心
過去の官製ビジネスモデルでは,適法性維持のメカニズムが特徴的でした(前記)。
事業者の立場から適法性に関する『関心』をまとめてみます。
<ゲリラ登場『前』|官製マーケット×事業者の関心>
あ 行政の裁量
主に行政指導
い レピュテーション
消費者・世間の『イメージ』としての評価
う 取引先の評価
主に金融機関
『裁判所による判断』は入っていません。
4 ゲリラ登場|要因=情報流通の民主化×マーケット自由化
時代の変化によりゲリラマーケットが登場します。
この要因についてまとめてみます。
<ゲリラ登場|要因=情報流通の民主化×マーケット自由化>
あ 情報流通の民主化
ICTが発達→非常に広範囲に普及した
コストほぼゼロで誰でも非常に広範囲に伝達可能となった
い 『判例なし×サービス提供者なし』=『鉱脈』の拡がり
従前より『判例なし×サービス提供者なし』領域が発生した(前記)
=明確な『違法判断』がない
→行政サイドは理論的部分で検挙しにくい
(さらに人員・リソース不足でもっと検挙しにくい)
5 ゲリラマーケット×事業者の関心
ゲリラマーケットにおける事業者の関心をまとめてみます。
<ゲリラマーケット×事業者の関心>
あ 行政の裁量
主に調査・検挙の遂行
い レピュテーション
個別的サービスのクオリティ
個別的サービスへの実際に使用した方の評価(レビュー)
前記の『官製マーケット』とは大きく違います。
2種のマーケットの比較を次にまとめます。
6 官製/ゲリラマーケット×事業者の関心
官製/ゲリラマーケットで適法性に関する事業者の関心が異なります(前記)。
次に,これらを比較するためにまとめてみます。
<官製/ゲリラマーケット×事業者の関心>
外部の状況 | 官製マーケットの事業者 | ゲリラマーケットの事業者 |
裁判所の判断 | 小 | 中 |
行政の裁量 | (行政指導について)大 | (調査・検挙について)大 |
消費者・世間のレピュテーション | (イメージについて)大 | (個別サービスについて)大 |
金融機関の評価 | 大 | 小 |
7 大貧民×革命|ゲリラマーケット登場→逆転現象
ゲリラマーケットは古い状況が大きく変わった状況と言えます。
これに伴って『法規制の機能』が逆方向に変わっています。
<大貧民×革命|ゲリラマーケット登場→逆転現象>
あ 法規制・運用の機能|昔
既得権益保護として機能していた
い 法規制・運用の機能|今
『大手排除=ベンチャーの聖域創設』につながっている
《俗称》
ベンチャー・オアシス
ベンチャーの鉱脈採掘ゴールドラッシュ
従来のメカニズムが逆に作用する皮肉的状況と言えます。
ゲームの大貧民における『革命』とも似ています。
既得権者の立場では『味方が敵に寝返った』ようなものです。
その意味で『シオナイト現象』という言い方もあるようです。
詳しくはこちら|ネオ・ラッダイト討伐|3権・テクノロジー・グレーゾーン=ベンチャーの聖域