【不動産流通×IT活用|サービス実例|おうちダイレクトなど】
1 不動産流通×IT|実例|サービス内容進化・低額化
2 おうちダイレクト|ソニー不動産×Yahoo!|特徴
3 おうちダイレクト|特徴・制約
4 おうちダイレクト|既存事業者の反発
5 おうちダイレクト|ユーザー視点・分析
1 不動産流通×IT|実例|サービス内容進化・低額化
不動産流通業界は古いビジネスモデルが長らく続いていました。
IT活用による大きな進化が実現していなかったのです。
近年,不動産流通システムを改良することに多くの事業者が取り組んでいます。
発展を期待したい事業をまとめておきます。
<不動産流通×IT|実例|サービス内容進化・低額化>
あ Centrl
仲介業者同士の情報共有を超効率化している
例;物出しコスト削減
外部サイト|Centrl|ダイヤモンドメディア株式会社
い HEYAZINE
無人内見・スマートキー導入など
→コスト削減=料金削減を実現している
外部サイト|HEYAZINE|イタンジ株式会社
う ウチコミ!
え Nomad.(ノマド)
キャッチ=便利でお得なお部屋情報紹介サービス
特徴=賃貸・仲介手数料・全物件ゼロ円
平成27年7月事業譲渡により運営会社が変更した
株式会社アセンシャス(Asensuous)→イタンジ株式会社
外部サイト|Nomad.|イタンジ株式会社
お モバホ不動産
賃貸・仲介手数料・全物件ゼロ円
外部サイト|モバホ不動産|ARROWEAST株式会社
か ホワイトハウス
賃貸・仲介手数料・全物件ゼロ円
内覧手数料は必要
外部サイト|ホワイトハウス
き officee
賃貸オフィス
仲介手数料・全物件ゼロ円
外部サイト|officee|47株式会社
く ハイタイム
仲介手数料の上限を5万円としている
外部サイト|ハイタイム
け ソニー不動産
仲介手数料の料率を変動方式にしている
『法律上の上限張り付き』という業界の悪しき慣行が崩壊するきっかけとなるだろう
別途『おうちダイレクト』というサービスも提供している(後記)
外部サイト|ソニー不動産
2 おうちダイレクト|ソニー不動産×Yahoo!|特徴
『おうちダイレクト』というサービスが話題になっています。
マンションの売買マーケットを大きく変える『きっかけ』となることが期待されています。
概要を説明します。
<おうちダイレクト|ソニー不動産×Yahoo!|特徴>
あ 売主サイド
ア マンションの成約推定価格を教えてもらえるイ 所有者自身が決めた価格で売り出すことができるウ 売主側の仲介手数料は無料エ Yahoo!不動産への情報掲載も無料オ 反響=自分のマンションの人気が分かるカ 内見・契約締結・引き渡しはソニー不動産がサポートする
い 買主サイド
ア 売りに出されていないマンションの推定価格を見られるイ 売りに出されていないマンションの『買いたいリクエスト』を出せる
3 おうちダイレクト|特徴・制約
売主側の仲介手数料ゼロというのは画期的です。
それ以外の特徴についてもまとめます。
<おうちダイレクト|特徴・制約>
あ レインズへの登録は行わない
一般媒介契約を使うので『レインズへの登録義務』はない
い 他の仲介業者との契約が禁止されている
う 情報掲載は原則Yahoo!不動産のみ
4 おうちダイレクト|既存事業者の反発
既得権益の崩壊を恐れる既存事業者は,構造的に拒絶反応を起こします。
業界団体の2つの反発を紹介します。
<おうちダイレクト|既存事業者の反発>
あ 不動産流通経営協会(FRK)→連携オフ
ア 提携解消
平成27年10月
ヤフー・FRKは提携解消に合意した
イ 情報提供終了
平成27年12月
物件情報の掲載・提供を終了した
い 全宅連→掲載の見直し
平成28年2月
Yahoo!不動産への情報提供に関する取り決めを見直すこととした
※CNET Japan平成28年2月6日
5 おうちダイレクト|ユーザー視点・分析
以上のネガティブな指摘は『既存事業者』の視点なのです。
ユーザーの立場では非常に大きなメリットが期待できると思います。
ユーザー視点での分析をまとめてみます。
<おうちダイレクト|ユーザー視点・分析>
あ 情報掲載範囲が限定されていること
『情報の出し惜しみ』という指摘もある
しかし,この構造により大きなメリットが得られている
ユーザーがトータルのサービス内容を判断し利用されることになる
ユーザーの知らないところで不利な手口を遂行する『囲い込み』とはまったく異なる
い 物件情報・数が減るおそれ
おうちダイレクトやその他の類似・競合サービスが今後増加する
→物件数の競争が熾烈になる
→『特定のサービスが巨大な情報量(シェア)を握る』状態が解消される
→『FRK情報が貴重である』という前提自体が解消される
全体のポイントは『競合サービスの誕生を誘発する』というところです。
FRKがYahoo!との連携を中止したのは『情報の大きなシェア』という優位性を失う第一歩なのでしょう。
ようやく『ユーザー視点で』より良いサービスを編み出す競争が始まると期待を込めて思う次第です。