【『正社員・正規社員・非正規社員』ネーミング×法律上の扱い】

1 『正規/非正規社員』『正社員』|従業員の分類
2 従業員の分類・ネーミング×法律上の扱い
3 非正規社員|種類・分類
4 『派遣社員』|労働者派遣法の規定(上記※2)
5 雇用形態・ネーミング×労働条件|直結しない

1 『正規/非正規社員』『正社員』|従業員の分類

『正規/非正規(雇用)』『正社員』などの用語は,実は法律上のものではありません。
会社(雇用主)が雇用形態の種類の1つとして設定している,呼称している,というものです。
ここでは,一般的な『従業員の分類』をまとめます。

<『正規/非正規社員』『正社員』|従業員の分類>

あ 『正規社員・正社員』

法律上の定義はない
一般的には『雇用期間の定めがない』従業員のことを言う

い 『非正規社員』

法律上の定義はない
一般的には『正規社員・正社員』以外の従業員のことを言う

2 従業員の分類・ネーミング×法律上の扱い

従業員の分類やネーミングと法律上の扱いの関係をまとめます。

<従業員の分類・ネーミング×法律上の扱い>

あ 基本

従業員の分類に,直接的な法的効果はない

い 解雇の有効性判断への影響

『正社員・正規/非正規』などの分類
→『雇用形態・雇用条件』と関連している(後述)
雇用形態・労働条件は,解雇の有効性判断に影響を与える
→従業員の『分類』が解雇の有効性判断に影響する
(別記事『整理解雇の4要件』;リンクは末尾に表示)

う 派遣労働・業法規制

『派遣労働』は単なる『従業員の分類・ネーミング』ではない
労働者派遣法の各種規定の適用を受ける(後述)

3 非正規社員|種類・分類

一般的な『非正規社員』と呼ばれる種類をさらに分類することができます。

<非正規社員|種類・分類>

契約社員 正規社員含めて『労働契約』があるので奇妙なネーミングである
嘱託社員 一般的に,特定の専門性が高い業務・定年退職後の再雇用で用いる
パートタイマー 『短時間』ということを強調したネーミングである
アルバイト 『パートタイマー』と同じような意味で使われる
派遣社員 唯一法律用語である(※2)

『派遣社員』だけは『労働者派遣法』における用語です。
これについては次に説明します。

4 『派遣社員』|労働者派遣法の規定(上記※2)

『派遣社員』の法律上の定義・規定をまとめます。

<『派遣社員』|労働者派遣法の規定(上記※2)>

あ 『労働者派遣』|法律上の定義

自己の雇用する労働者を,当該雇用関係の下に,かつ,他人の指揮命令を受けて,当該他人のために労働に従事させること

い 『労働者派遣』|規制

『派遣事業』が許可制となっている
※労働者派遣法2条
詳しくはこちら|職業安定法・労働者派遣法×『労働者』|業務規制=許可制

5 雇用形態・ネーミング×労働条件|直結しない

以上のような分類・ネーミングは,あくまでも一般的に使われているものに過ぎません。
労働条件は個別的に,就業規則や労働契約その他協定類で設定されます。
勘違いが多いのですが,次のような事情と直接リンクするわけではありません。

<雇用形態・ネーミング×労働条件>

契約期間 定めなし/有期
就業時間 フルタイムorそれ未満(パートタイム)
社会保険 ネーミングとは関係なく,単に稼働時間・日数で決まる

詳しくはこちら|有期労働契約|上限3年/5年|雇い止め予告・理由証明書
詳しくはこちら|社会保険加入対象となる従業員|労働『時間・日数』で決まっている

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