【意思表示の効力発生時期(撤回の期限)と意思表示の瑕疵(基本)】

1 意思表示の効力発生時期|基本
2 意思表示の撤回|期限
3 詐欺取消|基本
4 強迫|基本
5 錯誤|基本

1 意思表示の効力発生時期|基本

一般的な『意思表示』の効力発生についてのルールをまとめます。

<意思表示の効力発生時期|基本>

あ 意思表示|効力発生時期

一般的には意思表示が相手方に到達した時
→効果が発生する
※民法97条1項参照

い 意思表示の到達|具体的受領者

『相手方への意思表示の到達』とは
→『意思表示の受領権限のある者』への到達のことである

2 意思表示の撤回|期限

前記の『効力発生』は『撤回の期限』と関係しています。

<意思表示の撤回|期限>

あ 意思表示の撤回|期限|理論

意思表示が効力を発生した場合
→単純な『意思表示の撤回』はできなくなる
別の規定による解消は別である(後述)

い 意思表示の撤回|期限|まとめ

意思表示が『受領権限のある者』に到達する前であれば
→意思表示を撤回できる

以上は純粋な『意思表示の撤回』の説明でした。
特殊な事情があると別の規定による『解消』が認められます。
民法総則にあるベーシックな救済措置を次に説明します。

3 詐欺取消|基本

民法上の『詐欺取消』のルールをまとめます。

<詐欺取消|基本>

あ 前提事情

誤った説明により誤解が生じた
その結果不本意な意思表示をした

い 効果=救済措置

取消の意思表示を行うことができる
→これにより意思表示は撤回できる
※民法96条

4 強迫|基本

民法上の『強迫』のルールをまとめます。

<強迫|基本>

強要された意思表示がされた場合
→取消の意思表示を行うことができる
刑法の『脅迫』とは別の漢字を用いる
※民法96条

5 錯誤|基本

民法上の『錯誤』のルールをまとめます。

<錯誤|基本>

判断の重要な部分に勘違いがあった場合
→意思表示が無効となる
『取消』というアクションは不要である
※民法95条

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