【旅館業法|行政処分|調査権限・適合措置命令・営業停止・許可取消】

1 都道府県の調査権限・協力義務
2 適合措置命令|行政による是正の要請
3 営業許可取消・営業停止命令|対象行為
4 営業許可取消・営業停止命令→営業強行|罰則
5 行政処分|対象犯罪|刑法犯
6 行政処分|対象犯罪|売春防止法違反
7 行政処分|対象犯罪|児童ポルノ法違反
8 許可取消など対象犯罪|風営法違反

1 都道府県の調査権限・協力義務

旅館業の営業者は行政の監督を受ける立場にあります。
まずは行政の調査に協力する義務についてまとめます。

<都道府県の調査権限・協力義務>

あ 報告要求

行政庁が必要な事項の報告を求める
営業者・その他関係者が報告する

い 立ち入り調査

行政庁職員が営業施設に立ち入り調査をする
構造設備・書類の検査をする
※旅館業法7条

う 違反への罰則の対象行為

ア 報告をしないイ 虚偽の報告をしたウ 行政庁職員の検査を拒否・妨害・忌避した

え 違反への罰則の法定刑

罰金50万円以下
※旅館業法11条2号

2 適合措置命令|行政による是正の要請

監督機能の代表的なものは『適合措置命令』です。

<適合措置命令>

あ 前提事情

施設の構造設備が法定の基準に適合しなくなった

い 適合措置命令

都道府県知事は営業者に『基準に適合させる措置』を命令できる
※旅館業法7条の2

う 違反への制裁

旅館業法による『処分』の違反に該当する
→営業許可取消・営業停止命令の対象となる

3 営業許可取消・営業停止命令|対象行為

違反・不当行為に対する行政上のペナルティがあります。
営業許可取消と営業停止命令です。

<営業許可取消・営業停止命令|対象行為>

あ 対象行為

ア 営業者が旅館業法の規定・処分に違反したイ 営業者が欠格事由に該当するに至ったウ 関係者が『対象犯罪』を犯した 関係者=営業者・代表者・代理人・使用人・従業員

い 対象犯罪の内容

次の犯罪のうち,一定のもの(※1)
ア 刑法犯イ 売春防止法違反ウ 児童ポルノ法違反エ 風営法違反 ※旅館業法8条

4 営業許可取消・営業停止命令→営業強行|罰則

営業許可取消・営業停止命令の後は営業を止めるべきです。
営業を止めない場合,罰則の対象となります。

<営業許可取消・営業停止命令→営業強行|罰則>

あ 営業許可取消後の営業継続の法定刑

『無許可営業』となる
懲役6か月以下or罰金100万円以下
※旅館業法10条1号

い 営業停止命令違反の法定刑

懲役6か月以下or罰金100万円以
※旅館業法10条2号

う 両罰規定

法人・行為者個人の両方に科刑される
罰金だけが対象である
※旅館業法13条

5 行政処分|対象犯罪|刑法犯

営業許可取消・営業停止命令の理由として一定の犯罪があります。
対象となる犯罪のうち刑法に定めるものをまとめます。
いずれもセクシャルなものとなっています。

<行政処分|対象犯罪|刑法犯(上記※1)>

公然わいせつ罪
わいせつ物頒布罪
淫行勧誘罪
※刑法174条,175条,182条

6 行政処分|対象犯罪|売春防止法違反

行政処分の対象犯罪のうち『売春防止法違反』についてまとめます。

<行政処分|対象犯罪|売春防止法違反(上記※1)>

ア 売春勧誘イ 売春斡旋ウ 困惑による売春エ 対償の収受オ 売春目的前貸カ 売春をさせる契約キ 売春場所提供ク 管理売春ケ 売春用財産提供 財産=資金・土地・建物
※売春防止法第2章

7 行政処分|対象犯罪|児童ポルノ法違反

行政処分の対象犯罪のうち『児童ポルノ法違反』についてまとめます。

<行政処分|対象犯罪|児童ポルノ法違反(上記※1)>

ア 児童買春イ 児童買春周旋ウ 児童買春勧誘エ 児童ポルノ所持・提供 ※児童ポルノ法第2章

8 許可取消など対象犯罪|風営法違反

行政処分の対象犯罪のうち『風営法の無許可営業』についてまとめます。

<行政処分|対象犯罪|風営法違反(上記※1)>

あ 許可取消・営業停止命令の対象行為

公安委員会の許可を得ずに『接待飲食等営業』を行った

い 接待飲食等営業|内容

ア ダンス+接客+飲食イ 接客+遊興or飲食ウ ダンス+飲食エ 飲食+照度10ルクス以下オ 飲食+見通し困難+客席5平方メートル以下 ※風営法2条4項,3条1項

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