【宿泊施設の用途外使用|簡易宿所・水増し的・ダミー相部屋×違法性】
1 簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|脱法行為
2 簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|違法性
3 簡易宿所×一般賃貸|宿泊施設の用途外使用→NG
4 特区民泊×一般賃貸|宿泊施設の用途外使用→NG
5 相部屋なし→ホテル・旅館の無許可営業
1 簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|脱法行為
簡易宿所営業の許可を得るには『相部屋』が多くすることになります。
『個室』があっても良いですが,半分未満の面積という制限があります。
(別記事『簡易宿所|多数人共用|基本』;リンクは末尾に表示)
このルールを回避するために『ダミー相部屋』の脱法行為が想定されます。
<簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|脱法行為>
あ ダミー相部屋・発想|具体例
部屋数→ | 6部屋 | 4部屋 |
床面積割合→ | 60% | 40% |
簡易宿所営業の許可申請での申告→ | 相部屋 | 個室 |
実際の使い方→ | 一般の賃貸 | 民泊 |
い 形式論
4部屋を『個室』として提供できる
当然,このような手法は違法です。
次に説明します。
2 簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|違法性
水増し的ダミー相部屋の手法の違法性を整理します。
<簡易宿所|水増し的・ダミー相部屋|違法性>
あ 宿泊拒否制限
『相部屋』への宿泊希望を拒否することになる
→規制違反である
詳しくはこちら|簡易宿所|多数人共用|脱法的個室運用×調査|男女相部屋回避
い 同一施設内の用途混在
(別記事『複数箇所の部屋×旅館業許可』;リンクは末尾に表示)
う 宿泊施設の用途外使用
『宿泊施設』を『宿泊サービス以外』で使うことになる(※1)
え 『ホテル・旅館』無許可営業
『相部屋』がない施設という扱い
→『旅館営業orホテル営業』に該当することがある
→無許可営業になる(※2)
3 簡易宿所×一般賃貸|宿泊施設の用途外使用→NG
宿泊施設を別の用途に使用することは認められていません。
まずは『簡易宿所営業』施設の用途外使用についてまとめます。
<簡易宿所×一般賃貸|宿泊施設の用途外使用→NG>
あ 管理義務
簡易宿所の営業許可を受けた建物
事業者は簡易宿所施設としての管理が義務付けられる
い 用途混在|基本
簡易宿所=宿泊サービス以外の用途では使えない
例;一般の賃貸を行う
う 用途混在|行政指導
法律上『宿泊施設』『賃貸物件』では扱いが大きくことなる
典型的法規制=旅館業法・建築基準法
→少なくとも行政指導で是正を要請する
え 営業の停止→廃止届
『営業の停止』に該当する
→事業者が廃止届を提出するべきである
※旅館業法施行規則4条
※平成28年4月大田区生活衛生課ヒアリング
4 特区民泊×一般賃貸|宿泊施設の用途外使用→NG
特区民泊の施設を別の用途に使用することの法的問題をまとめます。
なお,特区民泊では『相部屋』のルールはありません。
そこで『水増し・ダミー』とはつながりません。
『特定認定を得た後に一般の賃貸として貸したい』場合にこの問題が生じます。
<特区民泊×一般賃貸|同一部屋の用途混在→NG>
あ 管理義務
特区民泊として特定認定を受けた建物
事業者は特区民泊施設としての管理が義務付けられる
い 用途混在|基本
民泊としての宿泊サービス以外の用途では使えない
例;一般の賃貸を行う
う 用途混在|廃止届の要請
事業者が10日以内に廃止届を提出する
このような行政指導が行われる
※大田区民泊ガイドライン『第4 5』
え 用途混在|認定取消
特定認定が取り消されることになる
※国家戦略特区法13条9項3号
※平成28年4月大田区生活衛生課ヒアリング
5 相部屋なし→ホテル・旅館の無許可営業
相部屋として使っていない場合,無許可営業につながることもあります。
<相部屋なし→ホテル・旅館の無許可営業(上記※2)>
あ 相部屋なしの施設×法的扱い
『相部屋』として運用していない場合
→『相部屋がない施設』という扱いとなる
→『ホテル営業or旅館営業』に該当する
詳しくはこちら|『旅館業』の定義・解釈|全体|4つのカテゴリ・共通部分
い 無許可営業
簡易宿所営業許可だけしか取得していない
→『ホテル営業or旅館営業』としては無許可である
→刑事罰の対象となる
詳しくはこちら|旅館業法の規制|基本・参入規制=許可制