【動物の占有・捕獲|判断基準|ハンター/ヒモタイプ】
1 動物→動産扱い=所有・占有の対象
2 動物の占有取得|ハンタータイプ
3 動物の占有取得|ヒモタイプ
4 動物×占有による取得
1 動物→動産扱い=所有・占有の対象
本記事では動物の『占有』の判断について説明します。
まずは動物の民法上の扱いの基本部分をまとめます。
<動物→動産扱い=所有・占有の対象>
あ 基本的事項
動物は民法では『動産』と同じ扱いとなる
※民法86条2項
い 動産扱い|内容
ア 『占有』の対象となる
※民法180条
イ 『所有』の対象となる
※民法206条
この規定を前提として『占有』の判断があるのです。
2 動物の占有取得|ハンタータイプ
動物の『占有』の判断は大きく2種類に分けられます。
まずは『物理的に拘束する』タイプについてまとめます。
<動物の占有取得|ハンタータイプ>
あ 基本的事項
漁や猟として仕掛けたトラップ(罠)に動物がかかった場合
例;地上の動物・魚介類など
→罠を仕掛けた者の占有が成立する
い 判例|洞窟にフタ事件
狩猟者がタヌキを岩窟内に追い込んで,その入口を閉塞した
→タヌキについての占有を取得する
※大判大正14年6月9日;刑事事件
3 動物の占有取得|ヒモタイプ
動物を『餌を与える関係性』で拘束するタイプです。
『愛情による関係性』と言った方が美しいかもしれません。
いずれにしても『占有』の判断について整理します。
<動物の占有取得|ヒモタイプ>
あ 前提事情
放浪猫が特定の居宅Aに居付いた
餌付けは1家Aのみである
定期的・確実に『ホームA』に戻る状態である
い 占有認定
餌付けしている者の占有が成立する
=居宅Aの居住者
4 動物×占有による取得
動物の『占有』判断が問題になるケースはいくつもあります。
典型的なものは『占有によって所有権を取得する』というものです。
これについては別に説明しています。
(別記事『動物×占有による取得』;リンクは末尾に表示)