【売買×心理的瑕疵|判例|自然死・火災事故死】
1 売買×過去の自然死発覚→心理的瑕疵否定|概要
2 売買×3年7か月前の事故死発覚→告知義務肯定
1 売買×過去の自然死発覚→心理的瑕疵否定|概要
売買契約締結後に,過去の人の死が発覚するケースがあります。
『自然死』について売主の責任が判断された判例を紹介します。
<売買×過去の自然死否定→心理的瑕疵否定|概要>
あ 原則的解釈論
不動産売買における『過去の自然死』
→原則としては『瑕疵』に該当しない
※東京地裁平成18年12月6日
詳しくはこちら|不動産賃貸と『人の死』|心理的瑕疵|告知義務の有無・範囲
い 判例の補足説明
『あ』の裁判例は賃貸借に関するものである
内容は『自然死が心理に与える重要性』である
→『売買』と共通する
『自然死』については『心理的瑕疵』が否定される傾向が強いのです。
2 売買×3年7か月前の事故死発覚→告知義務肯定
売買の後で『事故死』が発覚した事例を紹介します。
<売買×3年7か月前の事故死発覚→告知義務肯定>
あ 事案
ア 売買物件
土地(更地)
イ 当事者
売主=個人
買主=不動産業者
い 発覚した事実
契約締結時より3年7か月前
当該土地上に当時存在していた建物内
火災が発生し,居住者1名が焼死する事故が発生していた
う 売主の認識
あり
え 裁判所の判断
売主の告知説明義務(違反)を認めた
※東京地裁平成22年3月8日
事故死は,その後概ね7〜10年程度が『心理的瑕疵』と対象となります。
もちろん,個別的な事情によって大きく異なることもあります。