【宿泊サービス×消防法|基本|防炎性能・簡易宿所の扱い・民泊関連資料】
1 消防法|規制・全体
2 消防用設備設置義務
3 防火対象物|分類
4 ホテル・旅館・簡易宿所×消防用設備
5 防火・防炎性能|カーテン・じゅうたん
6 消防庁|民泊・消防用設備|資料・ソース
7 消防庁|火災予防・民泊用リーフレット|通達
1 消防法|規制・全体
宿泊サービスは消防法の規制も受けます。
本記事では消防法の規制の基本的事項を説明します。
まずは消防法の規制項目を整理します。
<消防法|規制・全体>
あ 管理義務
『宿泊施設』について
防火のための一定の『管理義務』が生じる
※消防法8条の2の4
※消防法施行令4条の2の3,別表第1
い 防火性能(※1)
防炎対象物品は『防炎性能』を有することが必要
※消防法8条の3第1項
※消防法施行令4条の3
う 消防用設備
『消防用設備』の設置・維持の義務が生じる(※2)
※消防法17条1項
※消防法施行令6条,7条
2 消防用設備設置義務
規制の中で大きなものは消防用設備に関するものです。
消防用設備の内容をまとめます。
<消防用設備設置義務(上記※2)>
あ 基本的事項
一定の建物には消防用設備を設置・維持する義務がある
い 消防用設備|代表的内容
ア 消火設備→消火器イ 警報設備→自動火災報知設備ウ 避難設備→誘導灯
※消防法17条
※消防法施行令6条,7条,別表第1
3 防火対象物|分類
以上の説明は消防法の規制の項目を整理したものです。
具体的に適用される規制の内容は施設によって異なります。
施設の種類が分類されているのです。
大まかな分類を紹介します。
<防火対象物|分類>
あ 基本的事項
『防火対象物』の種類によって規制内容が違う
防火対象物・例;建築物・工作物など
※消防法2条2項
い 種類|宿泊施設
旅館・ホテル・宿泊所・これらに類するもの
う 種類|住宅系
寄宿舎・下宿・共同住宅
※消防法施行令別表第1(5)イ・ロ
法令として規定されている分類はこのようなものです。
民泊では『宿泊所・類するもの』に該当するかどうかが問題になります。
この判断基準については,消防庁の資料があります(※3)。
4 ホテル・旅館・簡易宿所×消防用設備
レガシーな宿泊施設は消防法上も『宿泊施設』扱いとなります(前記)。
旅館業法上の『簡易宿所』もその1つです。
これらについての『消防用設備』の規制内容を整理します。
<ホテル・旅館・簡易宿所×消防用設備>
あ 消火器
150平方メートル以上の場合
→設置義務がある
い 自動火災報知設備
施設全体に設置義務がある
う 誘導灯
施設全体に設置義務がある
緩和措置もある
詳しくはこちら|民泊×消防法|戸建て|規模による扱い|一般住宅/用途混在/宿泊施設
5 防火・防炎性能|カーテン・じゅうたん
防火・防炎性能の規制内容をまとめます。
<防火・防炎性能|カーテン・じゅうたん(上記※1)>
あ 対象エリア
『宿泊施設』として扱われる部分(※4)
建物タイプ | 対象エリア |
戸建て | 宿泊施設の扱いとなった部分 |
共同住宅 | 民泊利用の住戸 |
い 対象物体
カーテン・じゅうたんなど
う 防炎性能
防炎物品とすることが必要である
→『防炎』の表示のある製品を使用する
え もともとの規制
高さ31メートル超過の建物の場合
→もともと防炎物品が必要である
→民泊スタートによる新たな規制はない
民泊における『宿泊施設』の判断(上記※4)については次に説明します。
6 消防庁|民泊・消防用設備|資料・ソース
民泊では『宿泊施設』に該当するかどうかが法令上不明確です(前記)。
これについて,消防庁が資料を公表しています。
<消防庁|民泊・消防用設備|資料・ソース(上記※3)>
あ 資料本体
『住宅の一部を民泊として活用する場合に想定される消防用設備等について』
総務省消防庁
→本記事では『民泊消防用設備資料』と呼ぶ
外部サイト|総務省|民泊・消防用施設|資料
い 提出されたイベント
『民泊サービス』のあり方に関する検討会
第1回
平成27年11月27日
『資料4−5』として提出された
外部サイト|国土交通省|民泊・検討会・第1回
この資料の内容については別に説明しています。
詳しくはこちら|民泊×消防法|戸建て|規模による扱い|一般住宅/用途混在/宿泊施設
詳しくはこちら|民泊×消防法|共同住宅|火災報知機・誘導灯|現実的ハードル
7 消防庁|火災予防・民泊用リーフレット|通達
消防庁は民泊サービスで使えるリーフレットも公表しています。
リーフレットを含む通達を紹介します。
<消防庁|火災予防・民泊用リーフレット|通達>
あ タイトル・日付
『民泊サービス』を提供する場合の注意喚起リーフレットの送付について
平成28年3月30日事務連絡
消防庁予防課
い 内容・概要
火災危険性に関する注意喚起
民泊のホスト・ゲスト向け
サービス運用においてそのまま使える体裁である