【中間整理批判|AICJ意見書|シェアリングエコノミー関連】
1 中間整理|シェアリングエコノミー×課題|概要
2 中間整理の批判|課題の指摘→不安煽動効果
3 中間整理|プラットフォーマー規制|方針|概要
4 中間整理の批判|単独規制強化→政策逆効果
5 中間整理|規制の方向性|概要
6 中間整理の批判|仲介サービス事業者の責任
7 中間整理の批判|民主化プロセス・行政肥大化
8 中間整理の批判|全体の方向性・民官の役割分担
1 中間整理|シェアリングエコノミー×課題|概要
IT利活用・中間整理に対してAICJが意見書を提出しました。
詳しくはこちら|中間整理批判|AICJ意見書|全体・サマリー・ソース
AICJ意見書にはシェアリングエコノミーに関する項目があります。
本記事ではこれについて説明します。
まずは批判の対象となっている中間整理の項目の概要を示します。
<中間整理|シェアリングエコノミー×課題|概要>
あ 実態把握が困難
い 情報の非対称性
う 外部不経済
え ボーダレスな対応が必要
※『IT利活用・中間整理』2(4)③
詳しくはこちら|IT利活用×中間整理|民泊プラットフォーム・特性・課題・規制方針
2 中間整理の批判|課題の指摘→不安煽動効果
AICJ意見書では前記課題の設定自体の不合理な点を指摘しています。
<中間整理の批判|課題の指摘→不安煽動効果>
あ 的外れ感
これらの課題はインターネット特有の課題ではない
インターネット仲介機能以外でも起こる課題である
い トリッキー印象操作
次のリスクがインターネット特有であるという印象を与える
ア 詐欺・無許可営業イ テロ・感染症
う 不安煽動効果
いたずらに国民の不安を煽る
誤った認識を国民に植え付けることにつながる
IT利活用を妨害する・後退させるおそれもある
※AICJ意見書『3』
3 中間整理|プラットフォーマー規制|方針|概要
中間整理ではプラットフォーマー規制の方向性が示されています。
AICJはこの方向性も批判しています。
まずは中間整理の概要をまとめます。
<中間整理|プラットフォーマー規制|方針|概要>
あ 実態把握→実現
例;身分確認の義務付け
い 情報の非対称性→解消
例;許認可確認の義務付け
う 外部不経済→解消
例;相談窓口の設置
え ボーダレスな対応が必要
例;事業所の国内設置
※『IT利活用・中間整理』2(4)⑤
詳しくはこちら|IT利活用×中間整理|民泊プラットフォーム・特性・課題・規制方針
4 中間整理の批判|単独規制強化→政策逆効果
AICJは『規制強化』ということについて検討・批判しています。
<中間整理の批判|単独規制強化→政策逆効果>
あ 政策・逆効果
事業者の規制しか触れられていない
→シェアリングエコノミーの発展を阻害する
=政策の逆方向である
い 軌道修正
業法の規制緩和・制度整備をセットで行うべきである
例;旅館業法
『中間整理』にその旨を明記すべきである
う 反対宣言
各業法との関係が整理されていない
単に規制強化のみがなされる場合
→IT利活用に資するものとは言えない
→AICJとしては反対する
※AICJ意見書『3』
5 中間整理|規制の方向性|概要
中間整理では規制の全体的な方向性が示されています。
AICJはこの方向性の中の事項も批判しています。
まずは中間整理の中の規制の方向性を抜粋します。
<中間整理|規制の方向性|概要>
あ 仲介サービス×責任
仲介サービスの事業者が一定の責任を負う
い 規制対象サービスの範囲
→政令で逐次追加できるようにする
※『IT利活用・中間整理』2(4)④
詳しくはこちら|IT利活用×中間整理|民泊プラットフォーム・特性・課題・規制方針
6 中間整理の批判|仲介サービス事業者の責任
AICJは『仲介サービス事業者の責任』を検討・批判しています。
<中間整理の批判|仲介サービス事業者の責任>
あ 本来の姿|契約の責任
契約に対する責任は各契約当事者自身が負うべきものである
仲介事業者が全ての責任を負うものではない
い マッチング機能促進
当事者間の契約についての仲介事業者の責務について
→原則として責任を負わないことを明記すべきである
※AICJ意見書『4』
7 中間整理の批判|民主化プロセス・行政肥大化
中間整理の中には『民主化プロセス』を軽視する姿勢があります。
これについてAICJは鋭く指摘します。
<中間整理の批判|民主化プロセス・行政肥大化>
あ 政令活用→民主化プロセス不全
『政令』で規制サービスの内容を広げることについて
→国民の代表である国会での議論を踏まえない
→行政庁の裁量によって規制を設けることが可能となる
詳しくはこちら|行政の肥大化・官僚統治|コスト・ブロック現象|小規模事業・大企業
い 軌道修正
むやみに規制対象が広がることがないようにする
民主的なプロセスを経て規制を検討する枠組みにすべきである
例;消費者・事業者らの意見を十分に聴く
※AICJ意見書『4』
8 中間整理の批判|全体の方向性・民官の役割分担
AICJは,以上の批判を踏まえて軌道修正を提示します。
<中間整理の批判|全体の方向性・民官の役割分担>
あ 萎縮効果=政策逆効果
規制強化の方向性
→萎縮効果を生む
→民間の活力が失われてしまう可能性がある
→シェアリングエコノミーの推進につながらない
=政策の目的とは逆方向に作用する
い ネオラッダイト抑制
民間事業者が政府に期待すること
=規制強化によるお墨付きではない
参考;既存事業者の保護目的の法規制が多い
詳しくはこちら|マーケットの既得権者が全体最適妨害|元祖ラッダイト→ネオ・ラッダイト
う 軌道修正|民官の役割分担
政府は,次のような役割に徹すると良い
民間の自主的取り組みについてよく実態を調査する
事業者間におけるベストプラクティスの共有を進める
適切に民間の自主的取組みを後押しすることに力を入れる
例;ガイドラインの策定など
※AICJ意見書『4』