【Googleストリートビュー×適法性・提言|ICT研究会・第1次提言】
1 ストリートビュー×総務省・ICT研究会の見解・提言
2 ストリートビュー×適法性|見解
3 撮影態様×違法性
4 ストリートビュー×提言|法的位置付け
5 具体的提言|基本
6 具体的提言|事前の情報提供
7 具体的提言|サービス公開後の対応の充実
8 具体的提言|サービス全般に関する周知の徹底
9 ICT研究会・第1次提言|資料・ソース
1 ストリートビュー×総務省・ICT研究会の見解・提言
Googleストリートビューは非常に画期的で便利なサービスです。
いろいろな権利・法規制に関わります。
詳しくはこちら|Googleストリートビュー×適法性|全体|福岡高裁
ストリートビューについて,総務省が設置した研究会が検討しました。
その結果として,適法性の見解・提言を公表しています。
公表された資料や研究会については末尾に示します(後記※1)。
本記事では,このICT研究会の見解・提言を紹介します。
2 ストリートビュー×適法性|見解
ICT研究会の適法性に関する見解をまとめます。
<ストリートビュー×適法性|見解(※2)>
あ 適法性|見解
サービス提供者において次の措置を取れば原則的に適法である
ア 撮影態様
カメラ位置や私有地侵入などの違法行為(後記※2)の回避
イ プライバシー保護措置
人の顔やナンバープレートに,ぼかし処理を施すなどの措置
ウ 肖像権保護措置
容貌が判別できないような措置
例;ぼかしを入れる・解像度を落とす
い 例外的・個別的注意点
プライバシー権・肖像権侵害の判断について
→あくまでも個別的・具体的なものである
上記措置を取っていても
→個別事情によっては『違法』となるリスクがある
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)p18〜19
3 撮影態様×違法性
画像ではなく『撮影態様』により違法となることがあります。
この内容をまとめます。
<撮影態様×違法性(※3)>
あ 所有権侵害
撮影に当たって私有地に侵入した場合
→所有者の所有権侵害=不法行為となる可能性がある
い 刑事責任
撮影に当たって次のような法令に反する場合
→違法となり処分を受けることがある
ア 道路交通法規イ 軽犯罪法
例;浴室などののぞき見
※軽犯罪法1条23号
う 肖像権・プライバシー権侵害とのリンク
『あ・い』は肖像権・プライバシー権侵害の判断要素である
→肖像権・プライバシー権侵害にもつながる
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
結論として,ストリートビューは適法であるという判断です。
その上で,ICT研究会は『提言』も公表しています。
次に説明します。
4 ストリートビュー×提言|法的位置付け
ICT研究会の『提言』の法的位置付けを整理します。
<ストリートビュー×提言|法的位置付け>
あ 法的位置付け
サービス提供者は,慎重な措置を講じることが望ましい
この措置は法的な義務というわけではない
措置の内容を提言として公表する
い 慎重な措置|内容・概要
プライバシーや肖像権への配慮
その侵害に対して一般市民の抱く不安感に対応する措置
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
5 具体的提言|基本
ICT研究会の提言の基本的事項をまとめます。
<具体的提言|基本>
あ 肖像権・プライバシー権侵害ケア
公開画像による肖像権・プライバシー権侵害について
→これを回避する措置(上記※2)を行うべきである
例;ぼかしを入れる・解像度を落とす
い 撮影態様の配慮
撮影態様による違法行為(上記※3)を回避すべきである
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
6 具体的提言|事前の情報提供
具体的提言のメインの項目は3つあります。
その1つ目をまとめます。
サービス提供=公開『前』の段階に関するものです。
<具体的提言|事前の情報提供>
あ 提言・基本
事前にサービスに関する情報提供をすることは重要である
い 情報提供|タイミング
撮影前
画像公開前
う 情報提供|対象者
地域住民
地方自治体
その他関係者
え 情報提供|方法|例
提供事業者の公式WEBページ上での告知
事前に地方自治体に大まかな場所や時期を通知する
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
7 具体的提言|サービス公開後の対応の充実
実質的な提言内容の2つ目です。
サービス提供=公開『後』の段階に関するものです。
<具体的提言|サービス公開後の対応の充実>
あ 提言・基本
迅速かつ容易に削除依頼ができる手続を整備することが重要である
個人情報保護ガイドラインによる要請と重複する
い 手続|内容|基本
利用者に配慮した丁寧な対応を講じることが望ましい
う 手続|内容|例示
インターネット上の削除依頼受付だけではない
専任の担当者・専用の受付電話を設置する
え 提言|違法2次利用防止策・検討
違法な2次利用の防止に対する配慮も重要である
サービス提供者として取り得る対応を検討することが望ましい
お 違法2次利用防止策|例示
予め公開画像の悪用を禁止する旨の注意喚起や警告
速やかな削除対応
適切な技術的措置
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
8 具体的提言|サービス全般に関する周知の徹底
実質的な提言の3つ目です。
一般に周知する,という要請です。
<具体的提言|サービス全般に関する周知の徹底>
あ 個人情報保護ガイドラインによる要請
次の事項は個人情報保護ガイドラインにより要請される
ア プライバシーポリシーの公表イ 利用目的の特定と公表ウ 第三者提供する旨・その手段・方法
い 提言・基本
サービスに関する情報を広く一般に周知するよう努めることが望ましい
インターネットを利用しない一般市民の存在も視野に入れる
う 周知情報|内容|例
ア サービスの内容
仕様の改訂も含む
イ 削除依頼の連絡先ウ プライバシーなどへの配慮措置の内容エ 削除要請への対応実績
※ICT研究会・第1次提言(後記※1)
9 ICT研究会・第1次提言|資料・ソース
本記事で紹介した資料のソースをまとめておきます。
<ICT研究会・第1次提言|資料・ソース(※1)>
あ タイトル・日付
利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会
第1次提言
→本記事では『総務省・研究会・第1次提言』と呼ぶ
平成21年8月
い 作成機関
総務省
利用者視点を踏まえたICTサービスに係る諸問題に関する研究会
う 見解|セクション
I インターネット地図情報サービスについて
4.我が国において懸念される法的問題
p8〜
え 提言|セクション
I インターネット地図情報サービスについて
5. より信頼されるサービスに向けて(具体的提言)
(1) 道路周辺映像サービス提供者に求められる取組
p21〜