【専任宅地建物取引士|常勤性|パートタイム・兼務・監督メイン】

1 専任宅地建物取引士|常勤性|基本
2 『常時勤務』|解釈
3 常勤性|パートタイム→NG|具体例
4 常勤性|監督メイン→NG|具体例
5 常勤性|宅地建物取引士の住所

1 専任宅地建物取引士|常勤性|基本

専任宅地建物取引士として認められる基準があります。
その中に『常勤性』があります。
詳しくはこちら|専任宅地建物取引士|基本|設置義務・登録・違反への措置
『常勤性』の基本的事項をまとめます。

<専任宅地建物取引士|常勤性|基本>

あ 基本

『い・う』のいずれかに該当する場合
→『常勤性』が認められる

い リアル常勤

宅建取引士が当該事務所などに常時勤務(後記※1)すること

う 常勤可能

常時勤務(後記※1)することができる状態にあること
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p170

2 『常時勤務』|解釈

『常時勤務』の解釈についてまとめます。

<『常時勤務』|解釈(※1)

あ 基本

『い・う』の両方に該当する場合
→『常時勤務』として認められる

い 継続的な関係

宅建取引士と宅建業者との間に継続的な関係がある
例;雇用契約など

う 勤務形態

勤務形態が次のいずれかに該当する
ア 業務時間に業務に従事するイ 業務時間に業務に従事することができる

え 業務時間

『う』の『業務時間』とは
→当該事務所などの業務時間のことである
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p170

3 常勤性|パートタイム→NG|具体例

フルタイムの勤務でないと,常勤性が否定されます。

<常勤性|パートタイム→NG|具体例>

あ 非常勤・パートタイムの従業員

『常勤』ではない
→『専任』には該当しない
当然,重要事項説明などの業務は可能である
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p170

い パートタイム|具体例

次の『ア・イ』の形態
→いずれも『常時勤務する状態』とは言えない
ア かけもち勤務 別の企業・官庁に勤務する従業員・公務員である
別の勤務先から退社後or非番の日のみ従事する
イ 在学中の大学生 例;毎月1回のレポートを提出するだけ
※昭和45年11月10日愛計宅政発第112号建設省計画局宅地部宅地政策課長回答
※昭和47年2月29日計宅政発第6号建設省計画局宅地部宅地政策課不動産業室長回答
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p171

4 常勤性|監督メイン→NG|具体例

監督をしっかり行っているケースでの常勤性判断を紹介します。

<常勤性|監督メイン→NG|具体例>

あ 事案

1か月中数日事務所に出勤する
宅建取引士に課せられた職務を管理監督する

い 判断

消極に解する
=『専任』に該当しない
※昭和39年12月19日計総第28号建設省計画局総務課長回答

監督ができているかどうか,と常勤性は別なのです。

5 常勤性|宅地建物取引士の住所

常勤性の判断では宅建取引士の住所も重要となります。

<常勤性|宅地建物取引士の住所>

あ 職住距離|基本

『い・う』に該当する場合
→常勤性を欠く

い 基準|距離

事務所などの所在地と住所の距離
→著しく遠距離である

う 基準|評価・妥当性

社会通念上通勤距離を超える
勤務時間や通勤が制約を受ける
※岡本正治ほか『改訂版逐条解説宅地建物取引業法』大成出版社p171

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