【みなし専任宅地建物取引士|対象者・要件】
1 みなし専任宅地建物取引士|基本
2 みなし専任|対象者
3 みなし専任|常勤性・専従性
4 みなし専任宅地建物取引士|かけもち→NG
5 みなし専任宅地建物取引士|他士業兼務→OK
1 みなし専任宅地建物取引士|基本
本記事では『みなし専任宅地建物取引士』を説明します。
まずは基本的事項をまとめます。
<みなし専任宅地建物取引士|基本>
あ 前提事情=要件
次の『ア・イ』の両方に該当する場合
→『専任宅地建物取引士』とみなす
ア 一定の『対象者』に該当する(後記※1)イ 『常勤性・専従性』が認められる(後記※2)
い みなし専任|実質的効果
『成年』でなくても良いことになる
う みなし専任|対象場所
みなし専任宅地建物取引士が
→『自ら主として業務に従事する場所』
※宅建業法31条の3第2項
2 みなし専任|対象者
みなし専任宅地建物取引士の対象者をまとめます。
<みなし専任|対象者(※1)>
あ 前提事情|個人
宅建業者が宅地建物取引士である
い 前提事情|法人
ア 基本
宅建業者の役員が宅地建物取引士である
イ 役員
業務を執行する次の者
・社員
・取締役
・執行役
・これらに準ずる者
※宅建業法31条の3第2項
3 みなし専任|常勤性・専従性
みなし専任宅地建物取引士の要件をまとめます。
<みなし専任|常勤性・専従性(※2)>
あ 基本
みなし専任宅地建物取引士について
→『い・う』の両方に該当する必要がある
い 常勤性
専ら当該事務所等に常勤する
う 専従性
その者の職務の大半が宅地建物取引業に当てられている
※関口洋ほか『改正宅地建物取引業法の解説』住宅新報社p69
※宅地建物取引業法令研究会『宅地建物取引業法の解説』住宅新報社p87
※最高裁昭和50年11月21日
※名古屋高裁昭和57年9月27日
4 みなし専任宅地建物取引士|かけもち→NG
いわゆる『かけもち』の場合は常勤性・専従性が否定されます。
みなし専任宅地建物取引士が適用されないことになります。
<みなし専任宅地建物取引士|かけもち→NG>
あ アフターファイブ
Aは宅建業と関係ない会社Bに勤務している
午前9時〜午後5時までBで勤務している
Aは午後5時から宅地建物取引業を営む
→常勤ではない
→みなし専任宅地建物取引士に該当しない
※昭和45年11月10日愛計宅政発第111号建設省計画局宅地部宅地政策課長回答
い アフタースリー
Aは宅建業と関係ない会社Bに勤務している
Aは午後3時にB退社を退社する
その後にA個人で宅地建物取引業を営む
→常勤ではない
→みなし専任宅地建物取引士に該当しない
※昭和43年3月19日分計宅政発第2号建設省計画局宅地部宅地政策課長回答
5 みなし専任宅地建物取引士|他士業兼務→OK
宅建取引士と他の士業の兼務というケースもあります。
『みなし専任宅地建物取引士』が適用は否定されるわけではありません。
<みなし専任宅地建物取引士|他士業兼務→OK>
あ 事案
宅地建物取引士A個人が宅建業者である
Aは別の職種にある
例;司法書士・行政書士
宅建業・他の士業の事務所が同一である
Aは事務所に常勤し宅地建物取引業に従事することができる
い 判断
常勤である
→みなし専任宅地建物取引士に該当する
※昭和48年2月15日計宅業発第7号建設省計画局不動産業室長通達