【扶養に関する民法の規定の種類と内容(程度)のまとめ】
1 扶養に関する民法の規定の種類と内容
2 扶養義務の種類による内容(程度)
3 一般的扶養義務(概要)
4 夫婦と親子の扶養義務(概要)
1 扶養に関する民法の規定の種類と内容
夫婦や親子間の生活費の負担・分担に関する規定はいくつかあります。これらの規定の違いにより,実際の請求での金額算定に影響が生じます。
本記事では,扶養に関するいろいろな規定を説明します。
まずは規定の種類とそれぞれの扶養の程度をまとめます。
<扶養に関する民法の規定の種類と内容>
生活費負担者の関係性 | 条文(民法) | 扶養の程度 | 分類 |
夫婦間 | 752条,760条 | 生活保持義務 | 絶対的扶養義務 |
親−未成熟子 | 820条 | 生活保持義務 | 絶対的扶養義務 |
親子間(↑以外) | 820条 | 生活扶助義務 | 絶対的扶養義務 |
直系血族,兄弟姉妹(↑以外) | 877条1項 | 生活扶助義務 | 絶対的扶養義務 |
3親等内の親族(↑以外;※1) | 877条2項 | 生活扶助義務 | 相対的扶養義務 |
2 扶養義務の種類による内容(程度)
扶養義務の種類によって,『生活保持』と『生活扶助』という内容があります(前記)。この2つの内容がどのように違うのか,についてまとめます。
<扶養義務の種類による内容(程度)>
あ 生活保持義務
ア 基本的な内容
扶養義務者と同程度の生活を保障する義務
強いものである
イ 限界
扶養義務者が文化的な最低限度の生活水準を維持する
逆にこの限度までは扶養権利者に援助する義務がある
い 生活扶助義務
ア 基本的な内容
弱いものである
扶養義務者に余裕があれば援助する義務
イ 限界
扶養義務者が社会的地位にふさわしい生活が成り立つ
さらに余裕がある範囲で援助する義務がある
3 一般的扶養義務(概要)
一般的な扶養義務の内容については,別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|一般的な扶養義務(全体・具体的義務内容の判断基準)
4 夫婦と親子の扶養義務(概要)
夫婦と親子の扶養義務は適用される規定がいくつかあります。理論的に複雑になりがちです。
これについては別の記事で詳しく説明しています。
詳しくはこちら|親子と夫婦間の扶養義務の種類と内容(まとめ)
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