【平成24年介護保険法改正→定期巡回,随時対応型訪問介護が普及】
1 介護保険法の改正により,介護サービスのバリエーションが増えた
2 定期巡回,随時対応型訪問介護が認められるようになった
3 平成24年介護保険法改正後,定期巡回,随時対応型訪問介護が普及しつつある
1 介護保険法の改正により,介護サービスのバリエーションが増えた
平成24年に,介護保険法改正が行なわれました。
介護保険法改正の概要は次のとおりです。
(1)地域包括ケア
従前は,居宅介護と訪問看護が別事業者によって行われていました。
そのため,サービス提供の連携が不十分となる傾向にありました。
平成24年の介護保険法改正により,2つの事業が同一事業者により行われることが推進されることになります。
また,定期巡回,随時対応型訪問介護も,地域包括ケアの推進の一環とされています。
(2)介護福祉士の業務拡大
従前は,介護職員は診療に関する業務は行えないこととなってました。
平成24年の介護保険法改正により,喀痰吸引などの診療の補助的行為(業務)を行えるようになりました。
2 定期巡回,随時対応型訪問介護が認められるようになった
定期巡回,随時対応型訪問介護は,以前は認められていませんでした。
平成24年の介護保険法改正により認められるようになりました。
内容は次のとおりです。
<定期巡回,随時対応型訪問介護の内容>
あ 定期巡回訪問サービス事業
利用者に対して,予定された計画どおりに,1日数回程度訪問するサービスです。
い 臨時の対応サービス事業
利用者に対して,24時間・365日対応可能な窓口を設置するサービスです。
実際に,窓口にはオペレーターを配置し,利用者からの通報内容に応じて随時の対応が行われます。
<随時の対応の内容;例>
・通話による相談援助
・転倒時等における他の訪問サービスの提供
・医療機関への通報
3 平成24年介護保険法改正後,定期巡回,随時対応型訪問介護が普及しつつある
定期巡回,随時対応型訪問介護という事業について,安定した収益が見込めるかどうか疑問視する考えもありました。
要は,スグに駆けつけられる状態を24時間,365日維持する必要があるのです。
利用者と事業者の拠点との距離が近いことが前提となります。
その上,人員配備を常時継続する必要があります。
当然,一定の人件費は避けられません。
利用者の居住地(商圏)が狭い一方,経費の負担が重いという視点もあるのです。
一方で,エリア独占になれば,収益確保へのポイントになります。
実際に制度が始まってから,民間業者が事業を始めています。
IT技術を活用して,コストを抑えつつ,高い利便性を提供している模様です。
さらなる発展のために,政府サイドが今後の実運用の状況を注視し,常に推進・促進策を実施していくことが重要です。