【建築基準法の建物の耐震基準(新/旧耐震基準)】
1 建築基準法の耐震基準(新/旧耐震基準)
2 既存不適格建物の適用除外(概要)
3 自治体による耐震検査・補強促進策(概要)
1 建築基準法の耐震基準(新/旧耐震基準)
建物の耐震基準は,建築基準法と施行令によって定められています。
そして,この基準自体が大きく変更されています。
変更したルールが施行されたのは昭和56年6月1日です。
<建築基準法の耐震基準(新/旧耐震基準)>
建設時期 | 耐震基準 | 耐震指標 |
昭和56年6月1日以前 | 旧耐震基準 | ― |
昭和56年6月1日以降 | 新耐震基準 | Is値が0.6以上 |
2 既存不適格建物の適用除外(概要)
昭和56年6月以前に建築された建物については旧耐震基準が用いられています。
そこで,旧耐震基準の時期に建築された建物の多くは,現在の耐震基準(新耐震基準)をクリアしていません。
その場合でも,建替えや補強工事は義務付けられていません。
後から作ったルールで国民に義務を押し付けてはならない,という原則があるからです。
このような『現時点では基準違反であるが,建築当時は適法』という建物を『既存不適格建物』と呼びます。
既存不適格の建物は,法律上建替え等が義務付けられていないけれど『倒壊の危険』がある,という状態です。
詳しくはこちら|既存不適格建物の適用除外(建築基準法3条2項)
3 自治体による耐震検査・補強促進策(概要)
建物の耐震の性能については,自治体による取組みもあります。
耐震性能の検査や補強工事の促進の施策などです。
当然,自治体によって施策の有無や具体的内容は異なります。
東京都の施策を中心にして,別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|自治体による建物耐震性に関する施策(危険度判定・耐震化促進策)
本記事では,建物の耐震基準について説明しました。
実際には,個別的な事情によって,法的判断や最適な対応方法は違ってきます。
実際に,耐震性などの建物の適法性に関する問題に直面されている方は,みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。