【共同仲介(態様の種類や規制の適用)】

1 共同仲介の意味
2 共同仲介の態様の種類
3 共同仲介に対する規制

1 共同仲介の意味

複数の宅建業者が仲介(媒介)として関与することもあります。
特に規模の大きい売買の仲介ではよくあります。
これを『共同仲介』と呼びます。

<共同仲介の意味>

あ 基本的事項

1つの不動産取引の成立に向けて
複数の宅建業者が媒介として関与しているケース
→『共同仲介』と呼ぶ
※岡本正治ほか『全訂版 詳解 不動産仲介契約』大成出版社2012年p335

い 『媒介』解釈論

関与する者の行為が『媒介』に該当しない場合
→『共同仲介』(の一員)とはならない
詳しくはこちら|宅建業法の『媒介』の定義・解釈論・認定の傾向
詳しくはこちら|宅建業法|『媒介』×情報提供行為|タネ屋|競売物件紹介の特殊性

2 共同仲介の態様の種類

共同仲介における複数の業者の関与の仕方にはいろいろな種類があります。

<共同仲介の態様の種類>

あ 元付業者・客付業者への仲介委託

ア 元付業者 売主Aが仲介業者X に売却仲介を委託した
Xの呼称=元付業者・根付業者・売り根付
イ 客付業者 買主Bが仲介業者Yに買受け仲介を委託した
Yの呼称=客付業者・根付業者・買い根付

い 仲介の再委託

売主Aが仲介業者X1に売却仲介を委託した
X1が仲介業者X2に再委託をした

う 複数業者への仲介委託

売主Aが仲介業者X1・X2に売却仲介を委託した
X1・X2が共に売却仲介を遂行する

え 中間業者

『あ』に加えて
XY間に別の仲介業者Mが介入する
Mの呼称=中間業者
MはXY間の仲介を伝達・補助する
MはX・Yと共同で仲介業務を行う
※岡本正治ほか『全訂版 詳解 不動産仲介契約』大成出版社2012年p335

3 共同仲介に対する規制

共同仲介においては,それぞれの宅建業者が『媒介』の規制を受けます。
業者が複数となることで独特の適用の仕方となるものがあります。
規制に違反しないよう,注意が必要です。

<共同仲介に対する規制>

あ 重要事項説明義務(概要)

関与した複数の仲介業者のすべてについて
→重要事項説明義務を負う
実際には代表する業者1社が説明を行えば足りる
詳しくはこちら|複数の宅建業者が関与した取引における重要説明義務

い 報酬額の上限(概要)

媒介・代理を行った業者が受け取る報酬の上限について
→1つの取引について取引当事者が支払う金額の上限となる
関与する宅建業者の数が多くても上限は変わらない
詳しくはこちら|不動産売買・賃貸の仲介手数料(報酬額)の上限(基本)

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