【後見開始の審判;被後見人の負担とされる手続費用】
- 成年後見の申立での手続費用のうち,被後見人の負担とされるのはどのような費用ですか。
- 類型的に必要とされる範囲です。印紙関係と鑑定費用くらいです。
1 後見開始の審判申立における一定の費用は被後見人の負担となる
2 後見開始の審判における弁護士費用は原則的に申立人の負担となる
1 後見開始の審判申立における一定の費用は被後見人の負担となる
条文上,被後見人の負担とする手続費用が明確に規定されているわけではありません。
家庭裁判所の裁量ということになります。
一般的な扱い(判断)は次のとおりです。
<被後見人の負担となる費用(傾向)>
※◯=被後見人の負担,☓=申立人の負担
申立書に貼付する収入印紙代 | ◯ |
---|---|
申立時に提出する登記印紙代 | ◯ |
申立時に提出する郵券(郵便切手)代 | ◯ |
鑑定費用(予納金) | ◯ |
弁護士費用 | ☓ |
(申立時に提出する)診断書の作成費用 | ☓ |
戸籍関係の資料取得費用 | ☓ |
不動産登記事項証明書取得費用 | ☓ |
2 後見開始の審判における弁護士費用は原則的に申立人の負担となる
成年後見の申立を弁護士に依頼するケースは多いです。
この場合の弁護士費用は,本質的には被後見人のため→被後見人が負担すべき,という発想もあります。
しかし,弁護士が代理人になることは理論的に強制されているわけではありません。
100%必須とは言えないのです。
そこで,通常,家庭裁判所では被後見人の負担とは認めない扱いをすることが多いです。
2021年10月発売 / 収録時間:各巻60分
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