【苗字(氏)や名の変更の手続(家裁・役所)の全体的な流れ】
1 苗字(氏)や名の変更の手続の全体的な流れ
2 家裁の氏・名の変更許可手続の流れ
3 家裁の氏・名の変更許可審判の後の手続の流れ
1 苗字(氏)や名の変更の手続の全体的な流れ
戸籍上の苗字や名を変更するには,家裁の許可が必要です。
詳しくはこちら|氏と名に関する制度(命名・変更)の全体・変遷
本記事では,家裁の許可の手続とその後の役所での戸籍の届出の全体的な流れを説明します。
個々の手続は多く複雑に思えますが,専門的に扱う弁護士であればスピーディーに進めることができます。
2 家裁の氏・名の変更許可手続の流れ
氏や名を変更するには,最初に家庭裁判所の許可を得る必要があります。
この家庭裁判所の許可の手続の流れをまとめます。
<家裁の氏・名の変更許可手続の流れ>
あ 家裁の手続の申立
弁護士→家庭裁判所
弁護士が申立書を作成し家裁に提出する
い 家裁による申立書チェック
家裁の書記官が申立書の形式面をチェックする
う 照会書の発送
家庭裁判所→弁護士(申立人)
家裁が照会書(後記※2)を発送する
審理のために必要な事項の質問である
弁護士ではなく申立人本人宛に送付する運用もまれにある
え 回答書の返送
弁護士→家庭裁判所
申立人側の回答書(後記※3)を家裁に返送する
家裁の質問事項に対する回答である
お 家裁による他の調査方法(参考)
家裁が『ア・イ』のような調査を行うこともある
しかしこれらが行われるのは非常にレアなケースである
ア 書記官から申立人に電話で質問するイ 裁判所で裁判官が申立人に質問する(呼出を行う)
か 家裁による審判
家庭裁判所が実質的な審査を行う
氏や名の変更を許可するかどうかを判断する
3 家裁の氏・名の変更許可審判の後の手続の流れ
家庭裁判所が氏や名の変更を許可した後は,役所への届出をすることになります。
裁判所の発行する書面が必要となります。
<氏・名の変更の家裁許可審判の後の手続の流れ(※1)>
あ 家裁による審判
家庭裁判所→弁護士
家裁が氏や名の変更を許可した場合
→家裁が審判書謄本を送付する
実務では確定証明申請書の用紙も同封することが多い
い 確定証明申請書の送付
弁護士→家庭裁判所
弁護士が確定証明申請書を作成し家裁に提出する
う 確定証明書の送付
家庭裁判所→弁護士
審判が確定した後,家裁が確定証明書を送付する
確定日=審判書の受領から14日後
え 役所での戸籍の届出
本人(or弁護士)→役所
戸籍変更の申請書を役所(戸籍係)に提出する
家裁が作成した審判書謄本+確定証明書も提出する
お 戸籍の内容の変更
役所において戸籍の内容(氏や名)の変更が記録(実行)される
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