【マイホームの所有者や住宅ローンの債務者は夫婦の一方と両方(ペアローン)がある】

1 マイホームと所有者と住宅ローンの債務者は誰か

マイホームの所有者や住宅ローンの債務者は夫だけということもありますし夫婦両方ということもあります。
これによって、離婚の際の財産分与のやり方が大きく違ってきます。
本記事では、マイホームの所有者や住宅ローンの債務者について、大きな2つのパターンを説明します。

2 マイホームの所有者と住宅ローンの債務者のパターン

マイホームの所有者と住宅ローンの債務者はセットになっていることが多いです。
具体的には所有者と債務者が、夫(または妻)だけ、というものと、夫婦の両方、という2とおりです。

マイホームの所有者と住宅ローンの債務者のパターン

あ 役割分担タイプ

夫(だけ)が所有者・債務者となっている
→一般的にこのケースが多い

い 役割均等タイプ

夫と妻の共有となっている
住宅ローンはペアローン(夫婦の連帯債務)となっている
→最近ではこのケースも増えつつある
※山本拓稿『清算的財産分与に関する実務上の諸問題』/『家庭裁判月報62巻3号』最高裁判所事務総局2010年p16、17

3 所有者・債務者のパターンによって財産分与が違ってくる

マイホームの住宅ローンが完済されている場合は、離婚の際の財産分与は単純です。
しかし、住宅ローンが残っている場合、マイホームの所有者と住宅ローンの債務者が誰になっているかによって、財産分与の方法に大きな違いが出てきます。
所有者・債務者が夫(妻)だけ、というケースについては次の記事で説明しています。
詳しくはこちら|住宅ローンが残っている住宅の財産分与の全体像(分与方法の選択肢など)
夫婦の共有(所有)であり、ローンの債務者も夫婦の両方(ペアローン)というケースについては次の記事で説明しています。
詳しくはこちら|夫婦両方が住宅ローンの債務者(ペアローン)であるマイホームの財産分与の方法

4 オーバーローンのケースでは財産分与が複雑になる

マイホームの住宅ローンの残額が住宅の価値よりも大きいことをオーバーローンと呼びます。
オーバーローンである場合は、さらに財産分与がやりにくくなります。プラスとマイナスの財産をすべて集計する(通算する)方法と、住宅の価値をゼロとして扱う方法の2つがあります。
実際には一方(妻と子供)がその後も住みたいというようなケースが多く、この計算方法によって違いが出てきます。これについては次の記事で説明しています。
詳しくはこちら|財産分与におけるオーバーローン不動産の扱い(全体で通算か清算対象からの除外)

本記事では、マイホームの所有者や住宅ローンの債務者のパターンについて説明しました。
前記のように、状況によって財産分与の方法が大きく違ってきます。
実際にマイホームの財産分与の問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださいますようお勧めします。

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【住宅宿泊事業法施行規則案の中のマンション管理規約に関する条項】
【マイホームの財産分与の方法(選択肢)は裁判(審判・訴訟)と和解で異なる】

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