【有利な不動産の評価と退職金に関する理論武装で財産分与額を大幅に下げた】
1 事案の分類
2 事案の内容
3 当事務所による解決
4 依頼前後の状況変化
5 解決のポイント
1 事案の分類
離婚請求 | 求められた |
離婚原因 | 暴力・モラハラ |
依頼者の性別 | 男性(50代) |
子供の有無 | なし |
依頼者の職業 | 会社員 |
相手の職業 | 専門職 |
争点(対立した内容) | (財産分与)不動産・退職金 |
解決手続 | 調停 |
依頼時期 | 婚姻21年・別居1年以内 |
2 事案の内容
夫婦の仲が悪くなり,別居することになりました。
妻が離婚調停を申し立ててきました。
妻は主に,夫名義の不動産や夫の将来の退職金の財産分与として合計約1000万円を求めていました。
3 当事務所による解決
当事務所は夫から依頼を受任しました。
まず,不動産については,近隣の取引事例のうち比較的低い金額のものを集めて,これを元にした査定書の作成ができました。
将来の退職金については,支給が不確実であることにより財産分与を否定する裁判例を多く提出しました。
調停委員は当方の主張に同感してくれて,妻側に譲歩を求めました。
最終的に,ほぼ当方の主張どおりの内容で離婚する調停が成立しました。
4 依頼前後の状況変化
依頼前 | 財産分与約1000万円を請求されていた |
依頼後 | 財産分与約600万円で離婚できた |
5 解決のポイント
不動産の評価は多くのケースで意見が対立します。
取引事例による評価はメジャーなものですが,肝心の元となる事例の選択によって大きく結果が違ってきます。
査定を不動産業者任せにせず,内容までしっかりチェックすることで有利な査定書を得ることにつながります。
また,将来の退職金の財産分与については,多くの裁判例で細かい事情を元にした判断がなされています。
詳しくはこちら|将来の退職金の財産分与
本ケースに近い事案について財産分与を否定した裁判例の提出によって調停委員も否定的な意見を持ちましたし,最終的に相手(妻側)も受け入れざるを得なくなりました。
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