【収納代行・代金引換サービスの法規制(為替取引に該当しない)】
1 収納代行・代金引換サービスの法規制
2 収納代行・代金引換サービスの内容
3 収納代行・代金引換サービスと法規制|規制なし
1 収納代行・代金引換サービスの法規制
一定の決済の機能を提供するサービスは為替取引として,銀行法や資金決済法の規制の対象となります。
この点,収納代行や代金引換サービスは,決済の機能があるので,為替取引に近いようにも思えます。
<納代行・代金引換サービスと為替取引該当性>
あ 決済サービスと法規制(前提)
一定の決済のサービスは為替取引として規制されている
代表的な規制=銀行法の許可・資金決済法の資金移動業登録
詳しくはこちら|為替取引・資金移動業の規制の基本(銀行法の免許・資金決済法の登録)
い 決済の機能に近いサービス
ア 収納代行サービスイ 代金引換サービス
本記事では,この解釈論について説明します。
2 収納代行・代金引換サービスの内容
収納代行や代金引換サービスの内容を整理しておきます。
<収納代行・代金引換サービスの内容>
あ 収納代行サービスの内容
商品・サービスの提供者=A
購入者・利用者=B
収納代行サービス業者=C
Aのために事業者Cが,Bから料金を受領する
い 収納代行サービス|典型例
コンビニエンス・ストアにおける公共料金の受領
う 代金引換サービスの内容
宅配業者が,顧客の代金の支払を受領する
受領と引き換えに,商品・サービスを顧客に引き渡す
3 収納代行・代金引換サービスと法規制|規制なし
収納代行や代金引換サービスの法的な扱いについてまとめます。
<収納代行・代金引換サービスと法規制>
あ 一般的な解釈論
いずれも『資金移動』には該当しない
=銀行法・資金決済法に抵触しない
他の法規制に抵触しない
い 国会答弁
制度整備を行わないことについて
『収納代行サービス等が銀行法に抵触する疑義がないことを意味するものでもない』
※平成21年4月15日衆議院財務金融委員会・内藤純一政府参考人答弁
実際にこれらのサービスは許認可・登録なく,広く行われています。
収納代行については地方自治体や政府も『発注』しています。
実務的には現時点では法規制の対象ではないと考えて良いでしょう。