【外国仮想通貨交換業者の日本での仮想通貨交換業登録(要件の緩和)】

1 外国仮想通貨交換業者の登録(要件の緩和)
2 外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定
3 外国仮想通貨交換業者の日本での登録の要件
4 外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定の趣旨

1 外国仮想通貨交換業者の登録(要件の緩和)

国によっては,日本と同様に仮想通貨交換サービスのライセンス制を導入しているところもあります。
詳しくはこちら|諸外国の仮想通貨に対する法規制の状況(平成29年12月)
既に外国でライセンスを得ている交換業者は,日本での仮想通貨交換業者登録で,要件が多少緩和されます。
本記事では,外国仮想交換業者が日本で登録する際の緩和措置について説明します。

2 外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定

外国で既にライセンスを得ている交換業者(外国仮想通貨交換業者)は,日本でライセンス(仮想通貨交換業登録)を得る際,日本の株式会社を設立する必要がありません。

<外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定>

あ 外国仮想通貨交換業者者の定義(前提)

外国仮想通貨交換業者とは
外国で,日本の仮想通貨交換業者登録に相当するライセンスを得た事業者である
※資金決済法2条9項
詳しくはこちら|外国仮想通貨交換業者の日本国内居住者向け『勧誘』規制

い 通常の登録における株式会社の要件(前提)

仮想通貨交換業者登録のためには申請者(事業者)が株式会社である必要がある
※資金決済法63条の5第1項1号

う 外国仮想通貨交換業者の要件緩和

外国仮想通貨交換業者が日本の仮想通貨交換業者登録をする場合
申請者(事業者)が(日本の)株式会社でなくてもよい
ただし,日本国内の営業所・代表者が必要である(後記※1

3 外国仮想通貨交換業者の日本での登録の要件

外国仮想通貨交換業者が日本で仮想通貨交換業登録をする場合には,株式会社は不要ですが,日本国内に営業所を設置することと,日本国内に住所のある個人の代表者が必要になります。
それ以外の点では,通常の仮想通貨交換業者と同じ扱いとなります。

<外国仮想通貨交換業者の日本での登録の要件(※1)

あ 登録の要件

ア 日本国内の営業所 日本国内に営業所を有する『外国会社』である
イ 日本国内居住の代表者 日本国内における代表者を置く
代表者は日本国内に住所を有する者に限られる
※資金決済法63条の5第1項1号,2号

い 登録の扱い

外国仮想通貨交換業者が(日本の)仮想通貨交換業者の登録を受けると
(通常の)『仮想通貨交換業者』として扱われる
※資金決済法63条の2
行う事業の内容・遵守すべき規制内容は同一である

4 外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定の趣旨

前記のように,外国でライセンスを得ていると,仮想通貨交換業者の登録で多少の緩和措置が適用されます。
緩和する趣旨は,既に日本以外に事業者の拠点やサービス運用の実績があることにあります。

<外国仮想通貨交換業者の『登録』の規定の趣旨>

外国の登録を行って仮想通貨交換業を遂行している事業者については,日本において(日本法による)株式会社を設立しなくても,当該事業者自体に仮想通貨交換業の登録を認めることがふさわしい
という趣旨である
※堀天子著『実務解説 資金決済法 第3版』商事法務2017年p331

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
【諸外国の仮想通貨に対する法規制の状況(平成29年12月)】
【譲渡所得の基本(対象となる『資産』の解釈・課税方式)】

関連記事

無料相談予約 受付中

0120-96-1040

受付時間 平日9:00 - 20:00