【景観協定|締結・事項・認可・公告・変更・廃止】

1 景観協定|締結
2 景観協定|事項
3 景観協定区域隣接地
4 景観協定|アクティベーション
5 景観行政団体
6 景観協定|アナウンス・効力
7 景観協定|変更・廃止
8 景観協定|権利者×共有者

1 景観協定|締結

本記事では『景観協定』について説明します。
住民による地域のルール作りの1つです。
なお,ほかに『建築協定』という似ている制度があります。
(別記事『建築協定の基本』;リンクは末尾に表示)
まずは景観協定の『締結』に関する基本的事項をまとめます。

<景観協定|締結>

あ 対象エリア

景観計画区域内の一団の土地

い 締結する者

土地所有者・借地権者
※本記事では『権利者』と呼ぶ

う 景観協定の締結

権利者全員の合意
※81条1項

え 行政の認可

認可が必要である(後述)

2 景観協定|事項

景観協定で定めることができる事項をまとめます。

<景観協定|事項>

あ 景観協定区域
い 景観形成事項

ア 建築物の形態意匠に関する基準イ 建築物の敷地・位置・規模・構造・用途・建築設備に関する基準ウ 工作物の位置・規模・構造・用途・形態意匠に関する基準エ 樹林地・草地などの保全・緑化に関する事項オ 屋外広告物の表示・屋外広告物を掲出する物件の設置に関する基準カ 農用地の保全・利用に関する事項キ その他良好な景観の形成に関する事項

う 景観協定の有効期間
え 景観協定に違反した場合の措置

※景観法81条2項

建築の制限がメインです。
その意味で『建築協定』と似ていると言えます。

3 景観協定区域隣接地

『景観協定区域隣接地』というゾーンを決めることもできます。

<景観協定区域隣接地>

あ 概要

景観協定において『景観協定区域隣接地』を規定できる

い 条件

次のすべてに該当することが必要である
ア 景観計画区域内であるイ 景観協定区域に隣接した土地であるウ 景観協定区域の一部とすることにより良好な景観の形成に資する ※景観法81条3項

『協定の締結』に関わらない方の所有地を『規制対象』に含めるものです。
その意味で不合理であると主張・指摘されることもあります。
ところで,大阪市の心斎橋筋商店街で景観協定が利用されています。
この景観協定では『景観協定区域隣接地』が定められています。

4 景観協定|アクティベーション

景観協定は『締結』だけでは有効になりません。
一定の行政の手続が必要です。

<景観協定|アクティベーション>

あ 行政の認可|必要性

『景観行政団体』の長の認可が必要である
※景観法81条4項

い 認可基準

次のいずれにも該当する場合
→景観行政団体は認可する
ア 申請手続が法令に違反しないイ 土地・建築物・工作物の利用を不当に制限するものでないウ 協定内容が法令で定める基準に適合する 国土交通省令・農林水産省令
※景観法83条1項

5 景観行政団体

認可する『景観行政団体』の内容をまとめます。

<景観行政団体>

都道府県or政令指定都市or中核市
※景観法7条1項

6 景観協定|アナウンス・効力

景観協定が認可された後の状況についてまとめます。

<景観協定|アナウンス・効力>

あ アナウンス

認可した場合,景観行政団体は次のアナウンスを行う
ア 公告イ 景観協定の写しを行政庁に備える+公表するウ 景観協定区域内に明示する ※景観法83条3項

い 景観協定|効力

景観協定の認可・公告後に土地権利者となった者
→景観協定の効力が及ぶ
※景観法86条

7 景観協定|変更・廃止

景観協定は成立後に変更・廃止することができます。

<景観協定|変更・廃止>

あ 景観協定の変更

景観協定区域内における権利者全員が合意する
→景観行政団体の長の認可を受ける
※84条1項

い 景観協定|廃止

景観協定区域内の土地権利者の過半数が合意する
→景観行政団体の長の認可を受ける
※景観法88条1項

8 景観協定|権利者×共有者

共有によって『権利者』が復数に分かれていることもあります。
この場合の扱いも定められています。

<景観協定|権利者×共有者>

土地・借地権が数人の共有に属する場合
→『すべての共有者』を合わせて『権利者1名』とみなす
※景観法89条

詳しくはこちら|共有物の変更・管理・保存の判別と必要な共有者の数

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