【違法建築→検査済証なし→増改築・用途変更・ローンNG|規制緩和方針】
1 違法建築・検査済証なし|典型例
2 検査済証なし×増改築・用途変更|現実的問題
3 検査済証なし×増改築・用途変更|規制緩和方針
4 平成28年6月・規制改革実施計画|ソース
1 違法建築・検査済証なし|典型例
建築済みの建物には『検査済証』が存在するはずです。
しかし『検査済証がない』というイレギュラー事態も結構あります。
検査済証なしになる事情をまとめます。
<違法建築・検査済証なし|典型例>
あ 検査済証なし|状況
完成後の『検査申請』が行われていない場合
→建物完成時の『検査済証』が発行されない
詳しくはこちら|建築確認|審査内容=建築基準法等の適合性|審査の流れ|建設主事・特定行政庁
い 検査申請なし|典型的理由
ア 違法建築
確認済の図面どおりに建築していない
イ 手間の省略
単に検査申請の手間を省略した
違法建築についてはいろいろなペナルティがあります。
罰則や行政的な措置については,別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|建築基準法の違反(違法建築)への罰則と行政的措置
2 検査済証なし×増改築・用途変更|現実的問題
検査済証がないと実際に困る場面があります。
<検査済証なし×増改築・用途変更|現実的問題>
あ 建物完成後×確認申請
建物完成後に次の行為をする場合
→『確認申請』が必要となる
ア 増築・改築イ 用途変更
い 確認申請×検査済証なし
確認申請時に『検査済証』が必要になる
→『検査済証』がないと『不適合』となる
→現実的に『適法な増改築・用途変更』ができない
う ローン審査×検査済証なし
ローン審査で検査済証の提出が求められることがある
→ローン審査で承認されないことにつながる
詳しくはこちら|ローン特約|条項自体・錯誤無効|建築契約との一体化・買主の想定外
結果的に『適法な方向で増改築する』ことができないのです。
非常に不合理な状況です。
批判が強いので,改善される方針が決まりました。
次に説明します。
3 検査済証なし×増改築・用途変更|規制緩和方針
検査済証なしの建築物の扱いについて改善する方針が決まりました。
<検査済証なし×増改築・用途変更|規制緩和方針>
あ 規制改革の内容|引用
検査済証のない建築物について、増築や用途変更 に伴う建築確認を必要としない場合を含め、既存ストックの流通促進を図るため、事業者が安心して取引(購入、ファイナンス等)ができるための措置について検討を行い、結論を得る。
結論を得次第、当該措置を講ずる。
い 実施時期
平成28年度以降継続的に検討・ 結論・措置
う 所管省庁
国土交通省
※平成28年・規制改革実施計画(後記※1)
4 平成28年6月・規制改革実施計画|ソース
上記の説明で登場した規制改革実施計画のソースをまとめておきます。
<平成28年6月・規制改革実施計画|ソース(※1)>
あ タイトル・日付
規制改革実施計画
平成28年6月2日閣議決定
い 対象項目
p25
II 分野別措置事項
5 地域活性化分野
③建築物・土地利用関連規制の見直し
No.8
検査済証のない建築物の流通促進