【共有物分割の分割類型の明確化・全面的価格賠償の条文化(令和3年改正民法258条2・3項)】

1 共有物分割の分割類型の明確化・全面的価格賠償の条文化

令和3年の民法改正で、共有物分割訴訟における分割類型がより明確になりました。全面的価格賠償が条文規定として初登場するとともに、分割類型の優先順序も条文から読み取りやすくなっています。一方、実質面、中身については基本的に変更はありません。つまり実際の共有物分割訴訟では、改正前と違った扱いになることはないと思われます。
本記事では、令和3年改正の民法258条2項と3項に定められた共有物分割の分割類型について説明します。

2 令和3年改正前後の分割類型に関する条文規定

最初に、共有物分割の分割類型に関する条文について、令和3年改正の前と後のものを押さえておきます。改正前は2つ(現物分割と換価分割)だったのに対して、改正後は3つ(全面的価格賠償が追加)になっています。
また、改正後は、現物分割と全面的価格賠償が並列(同順位)で、換価分割がその後(最後)ということを読み取りやすくなっています。
つまり、分割類型に関する令和3年改正の中身は、全面的価格賠償が条文に初登場ということと、順位が分かりやすくなったという2つです。以下、この2つについて順に説明します。

令和3年改正前後の分割類型に関する条文規定

あ 令和3年改正前

前項の場合において、共有物の現物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。
※民法258条2項(令和3年改正前)

い 令和3年改正後

2 裁判所は、次に掲げる方法により、共有物の分割を命ずることができる。
一 共有物の現物を分割する方法
二 共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法
3 前項に規定する方法により共有物を分割することができないとき、又は分割によってその価格を著しく減少させるおそれがあるときは、裁判所は、その競売を命ずることができる。
※民法258条2項、3項(令和3年改正後)

なお、令和3年改正の議論の中では、全面的価格賠償のことが賠償分割と呼ばれています。しかし「分割」という用語の本来の意味から外れてきています。
詳しくはこちら|「分割」という用語の本来の意味と現在の意味(共有物分割の分割類型のネーミング)
そこで、当サイトでは基本的に、従前から普及している全面的価格賠償の用語を使います。

3 遺産分割における代償分割の規定(家事事件手続法195条・参考)

(共有物分割における)全面的価格賠償は、遺産分割における代償分割に相当します。
詳しくはこちら|遺産分割における代償分割の基本(規定と要件)
この点、遺産分割における代償分割の方は、以前から条文に規定がありました(旧家事審判規則109条、家事事件手続法195条)。令和3年改正で新たに作られた全面的価格賠償の規定はこれと実質的には同じといえますが、文言がまったく同じ文言というわけではありません。

遺産分割における代償分割の規定(家事事件手続法195条・参考)

(債務を負担させる方法による遺産の分割)
第百九十五条 家庭裁判所は、遺産の分割の審判をする場合において、特別の事情があると認めるときは、遺産の分割の方法として、共同相続人の一人又は数人に他の共同相続人に対する債務を負担させて、現物の分割に代えることができる。
※家事事件手続法195条

4 全面的価格賠償の明文化の趣旨

全面的価格賠償を条文にした(明文化した)理由を理解するには、全面的価格賠償が誕生した経緯にさかのぼる必要があります。平成8年最判が最高裁として初めて全面的価格賠償を認めました。
詳しくはこちら|全面的価格賠償の基本(平成8年判例で創設・令和3年改正で条文化)
平成8年最判の読み方には、現物分割の一種として認めた、という解釈や、新たな(3つ目の)分割類型として認めた、という解釈などがありました。
詳しくはこちら|全面的価格賠償の法的性質(現物分割・部分的価格賠償との比較・創設なのか)
新たな分割類型、という解釈が有力だったのですが、仮にそうだとすると、法律は2つしか認めていないのに裁判所が新たに1つを創設するのは立法権侵害(違憲)にあたってしまう、という(奈良氏の)指摘もありました。
詳しくはこちら|全面的価格賠償に対する否定的な見解(要件の厳格な適用)
令和3年改正の議論の中ではここまでキツイ表現は出ていませんでしたが、条文との関係で位置付けが明らかではないというオブラートに包んだような説明はありました。奈良氏の指摘した違憲状態が、四半世紀を経て解消された、悲願だった合憲化が実現した、という見方もできます。

全面的価格賠償の明文化の趣旨

あ 中間試案・補足説明

・・・、③(全面的)価格賠償による分割は、民法に明文がなく、①現物分割を基本的方法とし、②競売分割を補充的方法とする民法第258条第2項との関係でどのように位置付けられるかが明らかでないため、規律を設ける必要があるとも考えられる。
※法務省民事局参事官室・民事第二課『民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案の補足説明』2020年1月p28

い 法務省・改正のポイント(参考)

1.賠償分割に関する規律の整備
裁判による共有物分割の方法として、賠償分割(「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」)が可能であることを明文化(新民法258Ⅱ)
※「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント(令和5年5月版)」法務省民事局2023年p36

5 「負担させて」のワードチョイス

全面的価格賠償を明文化した条文の文言に着目しましょう。現物取得者が「債務を負担」するという文言が採用されました。実は、立法の議論の中では当初、「金銭を支払わせて」という、日常用語になっている(分かりやすい)文言が提案されていましたが、これだと金銭(賠償金)の支払いが持分移転の停止条件だという誤解が生じるおそれがある、という理由で変更されたという経緯があります。結果的に、すでに条文になっている家事事件手続法195条(前述)と同じ「債務を負担」という文言が採用されたのです。

「負担させて」のワードチョイス

なお、賠償分割について、部会資料47②イのように「金銭を支払わせて、その持分を取得させる方法」とすると、金銭の支払が持分取得の条件となるとの誤解を生じさせるおそれがあるため、本文②イにおいては、「共有者に債務を負担させて、他の共有者の持分の全部又は一部を取得させる方法」とすることとした。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第21回会議(令和2年11月10日)『部会資料51』p11

なお、裁判所が判決の中で個別的な判断として、賠償金の支払を条件とする方式を採用することは(改正前も改正後も)可能です。
詳しくはこちら|全面的価格賠償の判決における期限や条件(賠償金支払先履行)の設定

6 判断要素の明文化の回避と規律(要件)の維持

(1)全面的価格賠償の判断要素の明文化を避けた理由

法改正の議論の中では、せっかく全面的価格賠償を条文にするのであれば、判断要素(判断基準)を条文するとよいね、という発想もありました。しかし、平成8年最判が示した判断要素は文章が長いのです。まるごと条文にすると不格好になってしまいます。無理やり条文にしたとすると、同順位として規定されている現物分割よりも要件が厳しい印象を与えてしまうおそれもあります。ということで結局、要件全部の条文化は見送りになりました。
では、要約して条文にしてはどうか、という発想もありましたが、今後は条文になっていない文章(削除された部分)は判断要素ではない、という読み方が出てきてしまいます。要約のアイデアも採用されず、結局、判断要素は一切載せない、ということになりました。

全面的価格賠償の判断要素の明文化を避けた理由

あ 平成8年最判の規範が長い

改めて検討すると、確かに、平成8年最判が明示している判断要素の一部のみを抽出する形で規定を置くものとすると、他の判断要素については充足が不要である趣旨であるとの誤解を生むおそれがある一方で、平成8年最判が判示しているような判断要素をすべて明示し、法文化することは困難であると考えられる。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第16回会議(令和2年8月4日)『部会資料37』p4

い 現物分割より劣後という誤解発生の回避

改めて検討すると、検討順序において賠償分割と現物分割とを同順位としつつ、賠償分割については最判平成8年10月31日民集50巻9号2563頁が判示しているような判断要素をすべて明文化しようとしても、明文化すること自体が困難であるのみならず、賠償分割についてのみ判断要素に関する規律を設ける限り、賠償分割の検討順序が現物分割に劣後するかのような疑義が生ずることを回避することができないと考えられる。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第18回会議(令和2年9月15日)『部会資料47』p1、2

(2)規範自体の変更(要件緩和)→否定方向

以上のような法改正における議論から、全面的価格賠償の判断基準(規範)そのものは法改正で変化したわけではないと思われます。
ところで、遺産分割の代償分割では要件として「特別の事情があると認めるとき」という文言が条文に入っています(前記)。これは、代償分割だけで1つの条文になっているので分割方法の内容とともに要件(の一部)も記載したということだと思います。では、民法258条2項2号にはこのような制限的な文言がないので、「特段の事情」がなくても全面的価格賠償を選択できるようになったように思えます。実際にそのような見解もあります。しかし前述のように法改正の議論としては、意図的に要件を記載しないことにしたとはいえますが、要件を緩和するという意図があるわけではないと思われます。

規範自体の変更(要件緩和)→否定方向

あ 我妻・有泉コンメンタール民法→判例の規律維持

(注・令和3年改正について)
なお、賠償分割について、実質的公平を害する恐れがない「特別の事情」という制約は定められなかった。
賠償分割における判断要素については規定せず判例法理に委ねたと解されている。
※我妻栄ほか著『我妻・有泉コンメンタール民法 第8版』日本評論社2022年p493、494

い 平野裕之氏見解→判例の規律維持

価格賠償(21-79)を命じうることは、258条2項2号に明記されたが、要件は規定されておらず、21-83の最判平8・10・31の示した1~3の準則が先例としての意義を有することになる。
※平野裕之著『物権法 第2版』日本評論社2022年p383

う 「実務ポイント」→判例の規律維持

今回の改正の議論においては、賠償分割を明文化することに伴い、この判断基準・判断要素を明文化することも検討されましたが、結局、そのような規律を設けることは見送られました
このため、賠償分割を採用する際の判断については、引き続き上記の判例法理に委ねられることになります。
※第一東京弁護士会編『Q&A・事例解説 令和5年4月施行対応民法等改正の実務ポイント』新日本法規出版2022年p53

え 七戸克彦氏見解→特別の事情の制約の撤廃を読み取る

・・・賠償分割を「特別の事情」がある場合にのみ認める制約が撤廃された。
・・・判例が、賠償分割(全面的価格賠償)を「特別の事情」がある場合に限って認めてきたのは、他の共有者が現実に賠償を受けられるかを問題にしたからであった。
それゆえ、新2項2号の賠償分割に関して「特別の事情」要件を撤廃した場合「金銭の支払、物の引渡し、登記義務の履行その他の給付」を命ずる新4項の発動は不可欠なものとなる。
新2項2号の賠償分割を認める場合には、常に新4項の賠償金の債務名義化・引換給付判決を行う運用が求められる。
※七戸克彦著『新旧対照解説 改正民法・不動産登記法』ぎょうせい2021年p58

7 改正前の分割類型の優先順序の不明確性=改正の趣旨

前述のように、令和3年の民法改正で、共有物分割の分割類型の優先順序が明文化されました。要するに、条文から順序を読み取りやすくなったのです。改正前は、優先順序(検討順序)が条文からは読み取りにくかったので、予測可能性が不十分、という問題があったのです。

改正前の分割類型の優先順序の不明確性=改正の趣旨

あ 改正前の問題点=優先順序の不明確性

ア 山田誠一氏の指摘 判例は、必ずしも一般的には、分割方法の選択順序について、見解を明らかにしていない。
※山田誠一稿『民法256条・258条(共有物の分割)』/広中俊雄ほか編『民法典の百年Ⅱ』有斐閣1998年p536
イ 新注釈民法(小粥太郎氏)の指摘 分割の諸方法の優先劣後関係に関する現在の法状況は、混沌としている
※小粥太郎稿/小粥太郎編『新注釈民法(5)物権(2)』有斐閣2020年p601
ウ 法務省・改正のポイント [問題の所在]
・・・
1.賠償分割についての明文の規定がないため、分割方法の検討順序に関する当事者の予測可能性が確保されていない。
※「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント(令和5年5月版)」法務省民事局2023年p36

い 改正の要点

現物分割・賠償分割のいずれもできない場合、又は⑵分割によって共有物の価格を著しく減少させるおそれがある場合(現物分割によって共有物の価格を著しく減少させるおそれがあり、賠償分割もできない場合)に、競売分割を行うこととして、検討順序を明確化(新民法258Ⅲ)
※「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント(令和5年5月版)」法務省民事局2023年p36

8 令和3年改正前の分割類型の優先順序の解釈(概要・前提)

前述のように、令和3年の改正前には、分割類型の優先順序が(改正後ほどは)条文上はっきりと読み取れなかったといえます。これは、全面的価格賠償が条文には存在しないことが原因です。
詳しくはこちら|共有物分割の分割類型の選択基準(優先順序)の全体像
特に、全面的価格賠償と現物分割については、現物分割が優先という見解と、並列(同順位)であるという見解に分かれていました。ただ、並列という見解の方が優勢だったと思います。
詳しくはこちら|全面的価格賠償と現物分割の優先順序
結局、実務で優勢となっていた解釈と令和3年改正で条文化されたものは同じなので、改正前後で「予測可能性」は、それほどアップしていないように思います。

9 全体の順位→現物分割と全面的価格賠償同順位・換価分割最後

では、令和3年改正で、分割類型の優先順序がどのように条文に載ったのか、ということを説明します。
前記のように、民法258条2項の1号、2号に、現物分割と全面的価格賠償が配置され、3項で、「前項」が採用できない場合(著しく価値が減少することも含む)に初めて換価分割を採用できる、という体裁になっています。
まとめると、現物分割と全面的価格賠償が1位タイ(同着)、3位(最後)が換価分割、という順序を読み取りやすい、という寸法です。法改正の議論の中で意識的にそのような考えが示されています。

全体の順位→現物分割と全面的価格賠償同順位・換価分割最後

そこで、試案第1の2(1)④において、競売分割を補充的な分割方法とする民法第258条第2項の枠組みを維持し、賠償分割と現物分割の検討順序の先後関係をつけないとすることを提案している。
※法務省民事局参事官室・民事第二課『民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案の補足説明』2020年1月p29

10 現物分割・全面的価格賠償→1番目(同順位)

前述のように現物分割と全面的価格賠償は1位タイとなりましたが、法改正の議論では、現物分割が1位、全面的価格賠償が2位とする、という発想も出ていました。しかしどちらかを優先にするという理由(合理性)はないと考えられ、1位タイ(同順位)という結論になったのです。

現物分割・全面的価格賠償→1番目(同順位)

改めて検討すると、そもそも、現物を分割することと、賠償分割をすることは、矛盾するものではない(部分的価格賠償は、現物を共有者の全部又は一部に分割した上で、金銭で調整するものである。)から、これらに先後関係をつけることは困難であると思われる。
なお、全面的価格賠償と現物分割との間に先後関係をつけるべきか(言い換えると、全面的価格賠償を実施することについて、現物を分割することができないことを必要条件とするのか)も問題となり得るが、現在の判例では、現物を分割することができないことが全面的価格賠償をするための必要条件として掲げられているわけではないのであり、法律上先後関係を決する必要まではなく、現物分割の困難さは裁判所が判断をする際の考慮要素の一つとするにとどめることで足りるように思われる。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第16回会議(令和2年8月4日)『部会資料37』p5

11 換価分割→3番目(最後)

換価分割は、1位タイとされた2つ(現物分割と全面的価格賠償)の両方ができない(著しい価値の減少のおそれを含む)ことを要件として設定しました。つまり1位タイの2つが採用できない場合に消去法的に(受け皿として)採用される、という順序がくっきりと示されているのです。

換価分割→3番目(最後)

そのため、試案と同様に、共有物の現物を分割することができない場合、又は現物の分割によってその価格を著しく減少させるおそれがある場合(これらの現物分割には、前記のとおり、部分的価格賠償による分割も含まれる。)において、現物を分割しない方法による共有物分割(全面的価格賠償による分割もすることができない(「②で定める方法による分割を命ずることができ
ない」)ことを競売分割の要件としている。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第16回会議(令和2年8月4日)『部会資料37』p5

12 換価分割よりも全面的価格賠償が優先

結論として、換価分割は3位(最後)なのですが、法改正の議論の中では換価分割を全面的価格賠償より優先させる発想も出ていました。しかし、この2つを比べると、共有物全体を取得する者が第三者(競売で最高価で入札した者)か、共有者(のうち1人)か、という違いがあります。最終的には、第三者よりは、それまで共有者(所有権を持っていた者)を優先しよう、という考えから、換価分割の方が劣後、という順位が採用されたのです。

換価分割よりも全面的価格賠償が優先

また、競売分割と他の分割の関係については、これを並列的に捉えるべきとの考え方もあり得るが、共有者中に共有物の取得を希望する共有者がいる場合には、これを優先すべきであると思われ、入札価格で雌雄を決し、共有者を優先するものではない競売分割は、共有者に共有物を取得させることが困難である場合に実施することが適当であると考えられる。
※法制審議会民法・不動産登記法部会第16回会議(令和2年8月4日)『部会資料37』p5

13 分割類型の明確化の実務への影響→否定方向

以上のように、令和3年改正で、分割類型について条文上の規定を整備することにより、予測可能性を高めることが期待されているのですが、中身をみると、改正前の規律と実質的な違いはほとんどなく、予測可能性や審理の迅速化はあまり期待できないように思えます。

分割類型の明確化の実務への影響→否定方向

あ 可視性アップ(基本)

例えば、共有者の一部が賠償分割の方法を希望し、他の一部が現物分割の方法を希望するという典型事案を想定すると、新たな枠組みの中で、審理および裁判の過程の可視性が高まることが期待される。

い 迅速化→否定方向

もっとも、訴訟当事者である各共有者において賠償分割の方法によることについては共通認識があるが、対象物の評価額に争いがあるにとどまる場合であっても、形式的形成訴訟説による限り、少なくとも理論上は、従前同様の審理および裁判が求められることに留意が必要である。
改正民法における258条の枠組みの中では、賠償分割または競売分割の方法による場合は、同条2項2号、3項において具体的要件が明確に規定された結果、裁判所の裁量に委ねられる部分が絞られることとなったという理解もあり得るものの、実際には、現物分割の方法によると(仮定)した場合の具体的分割基準や、賠償分割との関係における分割方法の選択という重要な点において裁量があることに注意を要する。
筆者としては、賠償分割の明文化によって共有物分割訴訟が迅速化することは期待薄のように見える
※髙原知明稿/潮見佳男ほか編『詳解 改正民法・改正不登法・相続土地国庫帰属法』商事法務2023年p115

本記事では、令和3年の民法改正で、共有物分割の分割類型が明確化されたということを説明しました。
実際には、個別的な事情によって、法的判断や最適な対応方法は違ってきます。
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