【訴訟告知の効果(民事訴訟法53条)(解釈整理ノート)】

1 訴訟告知の効果(民事訴訟法53条)(解釈整理ノート)

民事訴訟法には、訴訟告知という手続が用意されています。訴訟告知をすることにより、参加的効力を及ぼすことができます。
実務では訴訟告知を活用する状況もよく生じます。条文はシンプルですが、実務で必要な細かい解釈が多いです。本記事では、訴訟告知の効果に関する解釈を整理しました。

2 被告知者の地位→変動なし(参加する機会を得る)

被告知者の地位→変動なし(参加する機会を得る)

訴訟告知を受けた者(被告知者)は、告知によって当然に補助参加人などの地位を取得するものではない
補助参加をするか否かは、被告知者の自由である
(一般的には補助参加の相手方は異議を述べることができ、裁判所が参加を許さないこともある)
被告知者が補助参加の申出をした場合、告知者は参加につき異議(民訴法44条1項)を述べることはできない

3 被告知者に対する効力→参加した場合と同じ(参加的効力)

被告知者に対する効力→参加した場合と同じ(参加的効力)

あ 効力の及ぶ範囲

被告知者が訴訟に補助参加しなかった場合でも、参加した場合と同様に訴訟の裁判の効力が被告知者に及ぶ(民訴法53条4項)
ただし、訴訟の告知を受けた者が訴訟の結果について利害関係を有しない者である場合には、参加的効力を受けない
※大阪地判昭和38年5月27日
※大阪高判昭和39年12月28日
※最判平成14年1月22日

い 独立当事者参加人等への適用

独立当事者参加人や共同訴訟参加人として訴訟に参加しうる者に対して訴訟告知がされても、当然には民訴法53条4項の規定は適用されない
その者が同時に訴訟の結果について利害関係を有しているとき(補助参加をすることができるとき)に限り、民訴法53条4項の規定が適用される

う 告知者・被告知者間の利害対立がある場合

ア 裁判例 参加的効力の発生を認めた
※仙台高判昭和55年1月28日
イ 学説 多くの学説は参加的効力の発生を否定する
参加的効力は補助参加人が被参加人のために訴訟行為をなすことを前提としたものであるため、利害対立がある場合には効力発生を否定すべき場合がある
ウ 有力説 被告知者に補助参加の利益が認められるだけでなく、被告知者が告知者に対して求償義務や損害賠償義務を負う実体的な地位にあることから、告知者側への補助参加が期待される場合であることを要する

え 「参加することができた時」の判断

被告知者が補助参加したものとみなされる標準時は「参加しようと思えば参加できた時」
訴訟告知書の送達を受けた後に必要な準備をする期間を加えて判断する
標準時が訴訟において遅いほど参加的効力の内容が大きな制限を受ける
その判断は告知者と被告知者との間の後訴においてなされる

4 訴訟告知の実体法上の効果→時効完成猶予

訴訟告知の実体法上の効果→時効完成猶予

手形の裏書人に対する訴訟告知には時効完成猶予効がある(手形法86条、小切手法73条)
訴訟告知には民法150条の催告としての効果を認めることができる
※大阪高判昭和45年1月20日

本記事では、訴訟告知の効果について説明しました。
実際には、個別的事情により法的判断や主張として活かす方法、最適な対応方法は違ってきます。
実際に主に対立している2者以外にも密接に関係する者が存在するというケースに関する問題に直面されている方は、みずほ中央法律事務所の弁護士による法律相談をご利用くださることをお勧めします。

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【訴訟告知の要件(主体・対象手続・被告知者など)(民事訴訟法53条)(解釈整理ノート)】
【使用貸借における通常の必要費(民法595条1項)(解釈整理ノート)】

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