【日照確保のためには日照地役権設定がベスト】

1 日照確保のために、当事者間で日照地役権設定をするとベスト

理想としては、日照を阻害する可能性のある土地の所有者との間で、「建築の高さ制限」などを約束しておく方法があります。
さらにパーフェクトを極めるのであれば、その「約束」を合意書だけではなく、登記しておくと良いでしょう。
「建築物の高さ上限」を地役権として登記しておけば、仮に南側土地(承役地)所有者が、相続・売買などで変わっても「ルール」はそのまま存続します。
日照を確保した土地(要役地)の所有者が変わっても同様です。
登記していない場合、当事者(所有者)が変わると「ルールも排除される」という可能性があります。

2 日照地役権の設定内容の例

南側、北側の土地所有者間で日照地役権を設定する場合の内容を説明します。
当事者間の約束・合意ですので、自由度は高いです。
主な設定項目をまとめます。

地役権設定の例

あ 単純な高さ制限
い 土地の一部への工作物設置禁止

例えば北側5メートルには建物その他を一切建築しない、など

う 地役権補償料

土地利用の制約の対価
定期的な支払金額を設定する

登記の方も、システムがきちんと対応しています。
土地の一部だけに制限を課する場合には、別紙として図面を登記に含めることも可能となっています。
このような特別扱いは地役権だけです。
地上権などは一物一権主義により、別紙の図面で一部を特定、という扱いはできません。

条文

[民法]
(地役権の内容)
第二百八十条 地役権者は、設定行為で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供する権利を有する。ただし、第三章第一節(所有権の限界)の規定(公の秩序に関するものに限る。)に違反しないものでなければならない。

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