【弁護士が依頼者の本人確認が必要となる受任業務の内容】

1 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|原則
2 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|例外→全面免除
3 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|例外→確認内容緩和
4 弁護士×取引の準備・実行→本人確認義務|基本事項
5 弁護士×取引の準備・実行→本人確認義務|指定取引
6 本人確認ルール|施行日=平成25年3月1日

弁護士の依頼者『本人確認』ルールのうち『確認義務の対象・施行日』のまとめです。
規程・規則の条文だけをまとめたものは別記事にあります。
詳しくはこちら|弁護士|依頼者の本人特定事項確認義務|日弁連の規程・規則|条文

1 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|原則

<資産の預かりor管理×本人確認|原則>

あ 本人確認対象業務

法律事務に関連して『ア・イ』のいずれかの業務を行う場合
→依頼者の本人確認義務がある
ア 依頼者の金融機関の口座を管理するイ 依頼者からor依頼者のために資産を預かるor管理を行う 預り資産の額=200万円以上
例;金銭・有価証券など

い 『本人特定事項』

ア 自然人 氏名,住居,生年月日
イ 法人 ・名称
・本店or主たる事務所の所在地

う 本人確認の方法

『ノーマル確認方法』
→規程2条3項各号に列挙したもの
詳しくはこちら|弁護士|依頼者本人確認義務|確認方法|ノーマル/イレギュラー
※規程2条1項,規則2条

2 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|例外→全面免除

<資産の預かりor管理×本人確認|例外→全面免除>

あ 本人確認義務の免除

『い〜く』のいずれかに該当する場合
→本人確認義務の対象となる
=本人確認義務の免除

い 公的機関への納付金

『ア・イ』のいずれかの目的で資産を預かる場合
ア 納付先機関 裁判所,法務局,金融機関など
イ 納付金の内容 ・予納金,供託金,保証金
・租税
・保釈保証金
・罰金,科料,追徴金,過料
・これらに類する金銭

う 公的機関による紛争解決後の『債務の履行』

ア 前提=紛争解決機関が関与して『解決』実現 ・紛争可決機関の例=裁判所
・紛争解決機関が関与した『解決』
例=判決,決定,調停,和解など
イ 債務の履行のための資金の預託 依頼者・関係者の負担する債務の履行

え 公的機関による紛争解決後の『相手の弁済』→受領

紛争解決の類型は『う−ア』と同じ
例;弁済金,和解金,これに類する金銭の受領

お 刑事事件|被害者への見舞金・弁償金

刑事事件において,被害者・遺族・代理人に弁済するための金銭
例=見舞金,被害弁償金,示談金,これに類する金銭の預託

か 弁護士フィーの前受

弁護士の報酬・費用の前受として金銭を受領する場合

き 任意後見事務

任意後見契約に基づく事務として預託を受ける場合

く 成年後見人・破産管財人からの依頼

ア 依頼者が裁判所に選任された者であるイ 職務の一環として依頼した ※規程2条1項

3 弁護士×資産の預かり・管理業務→本人確認義務|例外→確認内容緩和

<資産の預かりor管理×本人確認|例外→確認内容緩和>

あ 確認内容の緩和

確認対象の者が『あ・い』のいずれかに該当する場合
→本人確認の内容が緩和される

い 外国居住者

ア 前提事情 外国に居住する場合
イ 本人確認の緩和 →氏名,旅券番号などだけで良い
=生年月日を除外できる

う 身柄拘束中

ア 前提状況 刑事収容施設において身体を拘束されている場合
例;逮捕,勾留,刑の執行など
イ 本人確認の緩和 裁判所作成書面で足りる
例=勾留状謄本,判決書など
※規則3条

4 弁護士×取引の準備・実行→本人確認義務|基本事項

<取引の準備or実行×本人確認>

あ 対象となる受任業務

『指定取引』の準備or実行(後記※1)の業務を行う場合
→本人確認義務がある

い 確認内容

『ノーマル確認方法』
→規程2条3項各号に列挙したもの
詳しくはこちら|弁護士|依頼者本人確認義務|確認方法|ノーマル/イレギュラー
※規程2条2項

5 弁護士×取引の準備・実行→本人確認義務|指定取引

<『指定取引』の種類(※1)

あ 不動産の売買
い 経営前提の出資

・会社の設立or経営を目的とする出資
・これに類する資金拠出をする行為or手続

う 会社の組織の変動

・会社の組織変更
・合併
・会社分割
・株式交換・株式移転
・定款に規定された『目的』の変更

え 会社の業務執行者・代表者の選任
お 会社以外の団体の設立or合併

『ア〜ウ』の会社・団体の『設立or合併』に関する『行為or手続』
ア 会社以外の法人イ 組合,匿名組合,投資事業有限責任組合,有限責任組合ウ 『ア・イ』に類する団体

か 法人・団体の『目的』変更

法人・団体のの定款,規約,組合契約に規定された『目的』の変更

き 法人・団体の業務執行者or代表者の選任
く 信託に関する契約・変更

ア 信託契約の締結イ 信託の併合・分割ウ 信託契約or規約に規定された『目的』or『受託者』の変更

け 会社の買収or売却

※規程2条2項

6 本人確認ルール|施行日=平成25年3月1日

<本人確認に関するルール施行日>

平成25年3月1日
※規程附則『1』
※規則附則

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINE
【弁護士|依頼者の本人特定事項確認義務|日弁連の規程・規則|条文】
【弁護士|依頼者本人確認義務|確認方法|ノーマル/イレギュラー】

関連記事

無料相談予約 受付中

0120-96-1040

受付時間 平日9:00 - 20:00