【デジタル証拠×証拠方法|音声・動画・Webサイト】
1 デジタル証拠|音声・動画|特性
2 デジタル証拠|音声・動画|注意点
3 デジタル証拠|音声・動画|提出方法
4 デジタル証拠|ウェブサイト|特性・注意点
5 デジタル証拠|ウェブサイト|提出方法
1 デジタル証拠|音声・動画|特性
デジタル証拠の種類ごとに,提出方法や注意点を説明します。
まずは『音声・動画』について,証拠としての特性をまとめます。
<デジタル証拠|音声・動画|特性>
あ 発言内容・動作態様等の重要性
証人尋問(人証)と同様である
い 反訳書の重要性
性質上,データ自体を書面化することができない
→セリフを『反訳書』として書面にする
→実務的に『反訳書』が参照されることが多い
=反訳書が重要である
証人尋問における『調書』と類似する
2 デジタル証拠|音声・動画|注意点
音声・動画のデータを証拠にする場合の注意点をまとめます。
<デジタル証拠|音声・動画|注意点>
あ 改竄の可能性→低い
データ自体が複雑である
メールなどの『テキストデータ』とは大きく異なる
→音声・動画の改竄・変造は困難である
い 反訳書の提出
裁判所or相手方が『反訳書』提出を求めた場合
→証拠申出をした側は『反訳書』を提出する
内容=セリフを文字として記載した書面のこと
※民事訴訟規則149条
う 反訳書の正確性
反訳書の正確性はいずれの当事者もしっかりと確認すると良い
3 デジタル証拠|音声・動画|提出方法
音声・動画のデータを証拠として提出する方法をまとめます。
<デジタル証拠|音声・動画|提出方法>
あ 特定シーンの写真+反訳書を『準書証』とする
発言者・内容・日時に争いがない場合
→簡易な方法で足りる
い データ媒体を『検証』対象とする
発言者・内容などに争いがある場合
→データ媒体を提出し『検証』を申し出る
例;USBメモリ・DVD
データ媒体の複製を相手に交付する
※民事訴訟規則144条
4 デジタル証拠|ウェブサイト|特性・注意点
『ウェブサイト』の内容を証拠として提出する場面もよくあります。
証拠とする場合の特性・注意点をまとめます。
<デジタル証拠|ウェブサイト|特性・注意点>
あ 本文の内容の重要性
紙媒体の手紙などの書証と類似する
い 変更・消去される可能性
他者の管理するサーバー上に保存された情報の場合
→常に変更・消去される可能性がある
→具体的提出方法を工夫する必要がある
5 デジタル証拠|ウェブサイト|提出方法
『ウェブサイト』を証拠として提出する方法をまとめます。
<デジタル証拠|ウェブサイト|提出方法>
あ ウェブサイト自体のプリントアウト→書証
い 表示画面自体の写真→準書証
う Web魚拓→プリントアウト→書証
ウェブ上の保全サービス
サーバー上のデータの変更・消去に備えて早めに記録化しておく
え htmlファイル→準書証
サーバー上のhtmlファイルを端末上にダウンロードする
この『ファイル』を記憶媒体に入れて提出する
※知財高裁平成22年6月29日