【保険販売・法規制・基本|販売フロー・紹介ビジネス・紹介料相場】
1 生命保険販売フロー|紹介ビジネス・紹介料の発生
2 生命保険・紹介ビジネス|紹介料相場
3 保険比較サイト|金融庁の見解|違法の可能性あり
4 『保険募集』×法規制|保険募集人登録+募集文書登録
5 『保険募集』の判断基準|改正保険業法で明確化方向
6 『募集関連行為』の定義・規制|改正保険業法
1 生命保険販売フロー|紹介ビジネス・紹介料の発生
生命保険は,1本販売すると,その後長期間にわたって『保険料支払』が生じます。
販売ということの経済的な利益が大きいのです。
そうすると,『購入者候補』の情報と言いますか『紹介』に経済的な価値・対価性が認められます。
保険代理店が保険を販売する,という通常形態における『手数料』が,この『対価』の具体化です。
しかし,これ以外にも『紹介手数料の発生』があります。
顧客への販売・成約までの流れと対価の発生をまとめてみます。
<生命保険販売フロー>
あ 業界での呼称
ア 『見込み客の紹介(送客)』イ 『リーズの販売』
い フローの全体
ア 保険会社
↓手数料(オモテ)
イ FP資格を持った保険会社代理店・営業マン
↓↑紹介料ビジネス(顧客紹介+紹介料支払)
ウ 保険サイト運営会社
例;『保険サイト FPによる無料相談を受けられます!』
2 生命保険・紹介ビジネス|紹介料相場
紹介ビジネスのマーケットにおける紹介料の相場をまとめます。
<生命保険・紹介ビジネス|紹介料相場>
1件あたり数万円
一例としては3〜4万円程度
ただし,保険の利益の規模と成約する可能性によってさらに高額な場合もある
このような『保険紹介ビジネス』ですが,適法性はグレーです。
次に説明します。
3 保険比較サイト|金融庁の見解|違法の可能性あり
『保険の紹介』については『保険募集』の規制を受けることがあります。
ウェブサイトでの紹介も該当する可能性があります。
<保険比較サイト|金融庁の見解>
保険比較サイトは『保険募集』に該当する可能性がある
→該当すると多くの規制を受ける
→登録などをしていなければ違法となる
※『週刊ダイヤモンド2015年1月17日』p118〜
4 『保険募集』×法規制|保険募集人登録+募集文書登録
保険募集に該当する場合,法規制の適用対象となります。
法規制の主な内容をまとめます。
<『保険募集』×法規制>
あ 資格制限=保険募集人登録
『保険募集人』は内閣総理大臣の登録を受ける必要がある
い セールスの規制=募集文書登録
見込み顧客に説明・提案する文書に関して
→事前審査+登録制度『募集文書登録』
※保険業法275条,276条,286条など
う 違反への罰則
ア 対象行為
適法となる手続をしていない者が保険募集を行った
例;登録
イ 法定刑
懲役1年以下or100万円以下の罰金
併科あり
※保険業法317条の2第4号
5 『保険募集』の判断基準(概要)
前述のように『保険募集』に該当するかどうかで法規制の有無が決まります。
『保険募集』については現行の保険業法では判断が不明確と言えます。
この点,平成26年の保険業法改正にともなう金融庁の監督指針やその他の説明である程度明確化されつつあります。
これについては別の記事で説明しています。
詳しくはこちら|『保険募集』(代理・媒介)の判断基準(監督指針・パブコメ回答)
6 『募集関連行為』の定義・規制|改正保険業法
改正保険業法では『保険募集』に該当しない行為も規制対象とされています。
保険募集の周辺部分を『保険関連行為』として設定しています。
これについて説明します。
<『募集関連行為』の定義・規制|改正保険業法>
あ 募集関連行為の定義
見込み客情報を保険募集人に提供する
商品情報を見込み客に提供する
保険募集に該当する行為を行わない
保険商品の推奨・説明を行わない
い 募集関連行為の規制
募集関連行為を委託する者
→適切な委託先管理が必要である
※監督指針II -4-2-1(2)
なお,監督指針のソースは別の記事で詳しく紹介しています。
詳しくはこちら|『保険募集』(代理・媒介)の判断基準(監督指針・パブコメ回答)
<参考情報>
『週刊ダイヤモンド2015年1月17日』p118〜
『週刊ダイヤモンド2015年9月5日』p100〜