【旅館業法の規制緩和|歴史的建築物・遊休別荘・インターネット民泊】

1 旅館業法の規制緩和|政府としての予定がいくつかある
2 歴史的建築物利用宿泊事業×旅館業法緩和
3 別荘貸出×建築基準法緩和|基本
4 貸出別荘×建築基準法緩和|国交省ヒアリング
5 規制改革実施計画|民泊×インターネット集客
6 国家戦略特区区域計画・規制改革実施計画|ソース

1 旅館業法の規制緩和|政府としての予定がいくつかある

旅館業法の規制は,現代の社会の状況に合わせた改正が求められています。
政府による旅館業法の規制緩和の予定がいくつかあります。
詳しくはこちら|旅館業法×規制緩和|全体・方針|緩和の方向性・アイデア|ゲリラ性
本記事では規制緩和の中の個々の制度について説明します。

2 歴史的建築物利用宿泊事業×旅館業法緩和

国家戦略特区法によりいろいろな制度が作られています。
その中で旅館業法の緩和に関するものがあります。
『歴史的建築物利用宿泊事業』です。

<歴史的建築物利用宿泊事業×旅館業法緩和>

あ 歴史的建築物利用宿泊事業|概要

歴史的建築物について旅館業法の規制を緩和する

い 趣旨

目的=歴史的建築物の活用
歴史的建築物の特性を活かしたまま,宿泊に利用することを促進する
→地域活性化・国際観光の推進など

う 特例|具体的内容

玄関帳場などの構造設備基準を緩和する
従来の『伝統的建造物を利用した旅館営業事業』と同様

『伝統的建造物を利用した旅館営業事業』の制度を流用する予定です。
この既存の制度については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|許可基準緩和|既存制度|伝統的建造物|フロント代替機能・緊急対応体制

3 別荘貸出×建築基準法緩和|基本

『規制改革実施計画』の中に旅館業法の緩和が含まれています。
緩和制度の1つが『別荘』を対象としたものです。
これについてまとめます。

<別荘貸出×建築基準法緩和|基本>

あ 規制改革の背景

所有者が別荘を使用しない『遊休期間』が多い
→他人に有償で貸し出すことは有用である
旅館業法の許可とは別に『用途地域制限』が阻害要因になる

い 緩和措置|概要

遊休期間の別荘貸出について
用途地域における建築物制限を緩和する
→住居専用地域においても立地できる

う 緩和措置|具体的方法

ア 特別用途地区や地区計画を活用するイ 条例により必要な規定を定めるウ 特定行政庁が個別に許可する 例;良好な住居の環境を害するおそれがないと認める

え 実施時期

平成27年度措置

お 所轄省庁

国土交通省・厚生労働省
※平成27年6月30日閣議決定;規制改革実施計画(後記)

4 貸出別荘×建築基準法緩和|国交省ヒアリング

上記の緩和措置に関する通達などはないようです。
規制改革実施計画の公表をもって完結しているようです

<貸出別荘×建築基準法緩和|国交省ヒアリング>

貸出別荘の建築基準法緩和について
国土交通省から自治体への通知・通達は行っていない
規制改革実施計画として公表されたもののみである
自治体の判断に任せている
※国土交通省市街地建設課平成28年3月ヒアリング

5 規制改革実施計画|民泊×インターネット集客

規制改革実施計画の中で宿泊に関する3つ目の制度を紹介します。
airbnbのようなマッチングサービスを解禁するような内容となっています。
いわば,ゲリラマーケットの適法化・『追認』と言えるような状況です。

<規制改革実施計画|民泊×インターネット集客>

あ 制度の内容

次の方式での貸し出し一般を許容する
ア 一般住宅・別荘を宿泊客への貸し出すイ インターネットを通じて宿泊者を募集する airbnbなどの方式が想定されている
旅館業法自体の改正が前提となる

い 緩和の背景

実際に既に『オンラインのマッチングサービス』が普及している
これを公式に認める方向性と思われる

う 規制緩和の内容

まずは関係省庁で実態の把握を行う
既存旅館・ホテルとの競争条件を含めた幅広い観点から検討する

え 実施時期

検討開始=平成27年度
結論=平成28年度

お 所轄省庁

厚生労働省
※平成27年6月30日閣議決定;規制改革実施計画p37『17』(後記)

6 国家戦略特区区域計画・規制改革実施計画|ソース

以上の緩和措置・制度は政府の『計画』が元になっています。
2つの『計画』の資料のソースをまとめておきます。

<国家戦略特区区域計画・規制改革実施計画|ソース>

あ 国家戦略特区|区域計画

首相官邸;国家戦略特区
外部サイト|首相官邸|国家戦略特区

い 規制改革実施計画

内閣府;規制改革実施計画
平成27年6月30日閣議決定
p35,37
外部サイト|内閣府|規制改革実施計画

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