【旅行業法の基本(旅行業の定義・登録の要否)】

1 手配旅行×参入規制|登録制
2 手配旅行|定義|条文
3 運送・宿泊サービスの解釈論
4 代理・媒介・取次の解釈論
5 有償・事業の解釈論(概要)
6 平成28年4月旅館業法施行令改正×旅行業
7 今後の法整備・民泊×旅行業
8 民泊サービス・検討会|旅行業法について|ソース

1 手配旅行×参入規制|登録制

一定の手配旅行については旅行業法の適用を受けます。
参入規制として『登録制』となっています。

<手配旅行×参入規制|登録制>

あ 登録制

『旅行業』を行うには登録が必要である
※旅行業法3条

い 違反への罰則

ア 構成要件 登録をせずに旅行業を行うこと
イ 罰則 法定刑=罰金100万円以下
※旅行業法29条1号

2 手配旅行|定義|条文

『旅行業』の内容のうち代表的なものは『手配旅行』の販売です。
手配旅行の内容を整理します。

<旅行業・手配旅行|定義|条文>

あ 手配旅行

『運送or宿泊サービス』(後記※1)の『代理・媒介・取次』(後記※2
→『手配旅行』と呼ぶ

い 旅行業

報酬を得て手配旅行を行う事業(後記※3
→『旅行業』に該当する
※旅行業法2条1項3号,4号

この条文上の定義は単純ではありません。
それぞれの用語の解釈については次に説明します。

3 運送・宿泊サービスの解釈論

手配する『運送・宿泊サービス』の解釈論をまとめます。

<運送・宿泊サービスの解釈論(※1)

あ 運送or宿泊サービス

運送事業者・宿泊事業者により事業として提供されるサービス

い 宿泊サービス

旅館業法に基づく『旅館業』に該当するサービス(※4)
※国土交通省・観光庁『旅行業法について』第6回検討会・資料6

4 代理・媒介・取次の解釈論

『手配』の内容の解釈論をまとめます。

<代理・媒介・取次の解釈論(※2)

あ 解釈

代理・媒介・取次
=総称して『手配』と呼ぶ
→解釈は宅建業法の『媒介』と同様に考えられる
詳しくはこちら|宅建業法|『媒介』定義・解釈論・認定の傾向|法的性質

い 具体例

次のサービスを手配すること
ア 複数のサービスを組み合わせた旅行商品の企画イ 個々のサービス ※旅行業法2条1項
※国土交通省・観光庁『旅行業法について』第6回検討会・資料6

検討会の資料については後述します。

5 有償・事業の解釈論(概要)

『報酬がある』『事業』の解釈を整理します。

<有償・事業の解釈論(概要;※3)>

あ 有償性の解釈

ア 『報酬』についての解釈(概要) 外部の運送・宿泊サービス事業者へ支払う代金だけの受領
→『実費』といえるが『報酬』に含まれる傾向がある
詳しくはこちら|旅行業法の『報酬』(有償性)に関する解釈(旅行業法施行要領)
イ 道路運送法の解釈(参考) 実費程度なら『有償』に含まないという解釈の傾向がある
詳しくはこちら|道路運送法|無償/有償・判断基準|国交省解釈・通達

い 『事業』の解釈(概要)

『事業』『業』の解釈は複雑である
詳しくはこちら|業法一般|『業』解釈論|基本|反復継続意思・事業規模・不特定多数

6 平成28年4月旅館業法施行令改正×旅行業

『宿泊サービス』の解釈は『旅館業法上の旅館業』です(上記※4)。
平成28年4月から小規模な施設も『旅館業』となりました。
正確には『簡易宿所営業』の許可対象となっています。
この場合の『小規模な民泊』の扱いについてまとめます。

<平成28年4月旅館業法施行令改正×旅行業>

あ 簡易宿所・民泊サービスの位置付け

簡易宿所の許可を取得した『民泊サービス』の扱い
→旅館業法における『旅館業』に該当する
→旅行業法における『宿泊サービス』に該当する

い 民泊サービスの『仲介』の位置付け

簡易宿所の許可を取得した『民泊サービス』の仲介行為
→『旅行業』に該当する
→仲介事業者は旅行業の登録が必要である
※国土交通省・観光庁『旅行業法について』第6回検討会・資料6

7 今後の法整備・民泊×旅行業

今後さらに宿泊サービスの規制緩和が進みます。
将来のサービスについて,旅行業法の扱いは決まっていません。
『旅館業法と同じ』という現在の考え方が変わるかもしれません。

<今後の法整備・民泊×旅行業>

あ 今後の法整備|想定サービス

主にホームステイタイプの民泊サービス

い 旅館業法における扱い

旅館業法の枠組みを適用する必要性・妥当性について検討中

う 旅行業法における扱い

旅行業法上の『宿泊サービス』に該当するかどうかについて
→旅館業法とは別に判断が必要である
※国土交通省・観光庁『旅行業法について』第6回検討会・資料6

8 民泊サービス・検討会|旅行業法について|ソース

旅行業法の解釈について官公庁が見解を公表しています(前記)。
この資料のソースなどを示しておきます。

<民泊サービス・検討会|旅行業法について|ソース>

あ タイトル・作成機関

『旅行業法について』
国土交通省・観光庁

い 提出イベント

『民泊サービス』のあり方に関する検討会
第6回・平成28年2月29日
資料6として提出された
外部サイト|検討会|旅行業法について

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