【Augur(オーガー)・基本|分散型未来予測プロトコル・仕組み】
1 Augur(オーガー)|内容・基本
2 Augur|仕組み・フロー
3 Augur|分散型事実認定
4 Augur|特徴=『胴元』なし
5 Augur|発展|基本
6 Augur・予測市場|既存サービス・リプレイス例
7 参考情報|研究者・専門家
1 Augur(オーガー)|内容・基本
Augur(オーガー)という仕組み=プロトコルが開発されています。
分散型=非中央集権型である未来予測プロトコルです。
実際に運用が始まると,賭博罪との抵触問題が生じます。
(別記事『Augur×賭博罪』;リンクは末尾に表示)
本記事ではAugurの内容・基本的な仕組みについて説明します。
まずは根本的な仕組みをまとめます。
<Augur(オーガー)|内容・基本>
あ Augur|基本的機能
分散型未来予測市場のためのプロトコル
リスクヘッジ市場にもなる
い 予測市場|内容
未来におこる出来事に対して資産を賭ける
実際に起きた結果を当てた当事者が資産を得る
外れた当事者は資産を失う
この取引に多数の当事者が参加する
『お金を賭けるギャンブル』に類似する
う 予測市場|具体例
・次期米国大統領選挙の当選者
・ワールドカップの優勝ティーム
・商品市場における価値(相場)の変動
2 Augur|仕組み・フロー
Augurの具体的な手続の流れをまとめます。
<Augur|仕組み・フロー>
あ ブックメイク
『賭け事』の設定を誰でも作れる
い 投票
投票する=賭ける
賭け金をAugurが預かる
例;暗号通貨=ビットコイン・イーサリウムなど
う オッズ計算
オッズを算出する
え 事実認定
結果・事実を認定する
集合知を使うシステムを用いる(後記)
お 配当
配当する
3 Augur|分散型事実認定
Augurの仕組みで特徴的なのは『事実認定』です。
管理者(胴元)が存在しないので,特殊な方法が取られます。
<Augur|分散型事実認定>
あ 概要
Distributed Fact Stream(分散型事実認定)
結果の認定は集合知を用いる
多数の『リポーター』の投票を元に一定のアルゴリズムで決定する
い リポーター|基本
定期的に予測の対象となる事実について、実際に何が起きたのかを判断して報告をする義務がある。
この際に一定のデポジットを積むことが必要とされる。
う インセンティブシステム|内容
大多数のレポーターが報告した事実と同じ事実を報告した場合
→報酬がもらえる
多数派とは異なる事実を報告した場合
→デポジットを没収される
え インセンティブシステム|まとめ
多数派と同じ判断をすれば報酬がもらえる
正しい判断・報告をする意欲・動機を作っている
お インセンティブシステム|稼働条件
レポーターが,充分に多く存在する
レポーターそれぞれが独立して判断する
レポーターのうち大多数での共謀が生じない
敢えて特定の『認定権限を持つ者』を作らないのです。
『構造・仕組み』として,間違いのない認定が行われるように作られているのです。
4 Augur|特徴=『胴元』なし
Augurの特徴は,特定の管理者がいないというところにあります。
『賭け』の用語では『胴元』です。
胴元がいないという特徴をまとめます。
<Augur|特徴=『胴元』なし>
あ 胴元なし|システム内容
一連のシステムは自動的に遂行される
分散型のシステムである
重要な事実認定も多くのユーザーが行う(前記)
特定の管理者・組織=『胴元』は存在しない
い 胴元なし|画期性
画期的でありイノベーションと言える
イーサリアムのスマートコントラクトを利用して実現する
5 Augur|発展|基本
Augurは将来,大きく発展する可能性が指摘されています。
従来の大きなマーケット・サービスをリプレイスすると思われます。
発展する可能性について,基本的事項をまとめます。
<Augur|発展|基本>
あ 応用できる機能
ア デリバディブ取引イ 保険
い 展望
重要な社会インフラになる可能性がある
既存のサービスをリプレイスする可能性がある
ブロックチェーンプロトコルの有用性が活かせる
う 有用性
従来『胴元』が負っていた管理コストを大幅に削減できる
世界中から参加できる
参加コストが安価である
参加のための手続の手間が少ない
仕組みが民主的・公平=オープンである
6 Augur・予測市場|既存サービス・リプレイス例
Augurが発展するといろいろな既存サービスをリプレイスするでしょう。
既存サービスの利便性が大きくアップすることが期待されています。
発展することが期待されるサービス内容をまとめます。
<Augur・予測市場|既存サービス・リプレイス例>
あ 天候デリバティブ
ア 投票する対象
その年の『天候が良し悪し』の結果について投票する
イ 典型的な利用方法
投機家→天候が良くなる方に投票する
農家→リスクヘッジのために天候が悪くなる方に投票する
農家にとって天候不良・収穫減少時の保険として機能する
い 生命保険
『人の死』の結果について投票する構造と言える
う 損害保険
一定の事象・事故発生の結果について投票する構造と言える
7 参考情報|研究者・専門家
Augurは新しいテクノロジー・プロトコルです。
本記事の作成において研究者・専門家の見解・情報を参考にしました。
ここに記しておきます。
<参考情報|研究者・専門家>
あ 大石哲之氏|BLOGOS
Augur – 胴元のいらないギャンブルは可能か?
史上最大のギャンブル市場の可能性を秘めたAugurとは?
外部サイト|大石哲之氏|Augur – 胴元のいらないギャンブルは可能か?
い 木曽崇氏|ブログ
日本で数少ないカジノ専門家、木曽崇によるオピニオンブログ
カジノ合法化に関する100の質問
外部サイト|木曽崇氏|Augur-胴元のいらないギャンブルは勿論可能ですよ
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随時修正・追記などの改良を行いたいと思います。