【利益極大現象×リバウンド|典型的パターン・メカニズム】
1 利益極大現象×リバウンド|概要
2 需要大変動×祭りの後現象|メカニズム
3 祭りの後現象|発現条件・典型例
4 グレーゾーン=ベンチャーの聖域|概要
5 ホワイト化×大手バリアー決壊現象
6 ゲリラマーケット×普及途上ボーナス|メカニズム
7 ゲリラマーケット×普及段階|利益激減現象|メカニズム
8 構造的人口増加|人口ボーナス
1 利益極大現象×リバウンド|概要
事業の利益が極端に大きくなるとリバウンドが生じがちです。
いくつかの実際のパターンがあります。
<利益極大現象×リバウンド|パターン|概要>
あ 需要大変動(※1)
い グレーゾーンのホワイト化(※2)
う ゲリラマーケットの普及途上(※3)
え 構造的人口増加(※4)
本記事では利益極大現象の4パターンの内容を説明します。
2 需要大変動×祭りの後現象|メカニズム
『需要が大きく変動する』という状況があります。
これが『利益極大現象』の1つのパターンです。
このメカニズムをまとめます。
<需要大変動×祭りの後現象|メカニズム(上記※1)>
あ 需要増加
この要因が一過性のものである場合
→特に『い』以降のメカニズムが稼働しやすい
い 事業者の供給増加
ア 新規参入イ 既存事業者の設備・人員増強 機会損失を避ける施策である
う 需要減少
例;『あ』の要因が消滅した
え 経費削減困難
事業者は経費削減に取り組む
次の要因により経費削減は困難となる
ア 設備の売却が困難イ 解雇規制
詳しくはこちら|整理解雇の4要件|必要性・回避努力義務・選定/手続の合理性
お 倒産量産=祭りの後現象
収入を経費が上回る状態になる
→倒産する
本記事では『祭りの後現象』と呼ぶ
3 祭りの後現象|発現条件・典型例
祭りの後現象が発現する条件や典型例をまとめます。
<祭りの後現象|発現条件・典型例(上記※1)>
あ 発現しやすい条件
次の事情があると『祭りの後現象』が発現しやすい
ア 需要の増減の幅が大きいイ 増減のスピードが速い
マーケット規模とスピードの関係で決まる
い 典型例|温泉旅館
いわゆるバブル期に大盛況となった
その後需要が大きく減った
多くの旅館が倒産手続を行っている
倒産手続=破産・会社更生・民事再生
大部分の旅館が倒産手続を行った有名温泉郷も多い
う 想定例|オリンピック特需
オリンピック開催時にだけ増加する需要がある
これに対応するサービスについて
→『需要の激減』を受ける可能性が高い
4 グレーゾーン=ベンチャーの聖域|概要
適法性が曖昧なビジネスドメインがあります。
これはベンチャーの聖域と化します。
<グレーゾーン=ベンチャーの聖域|概要(上記※2)>
あ 前提状況
サービスの適法性が曖昧な状況にある
大手企業は参入できない
ベンチャー企業だけが参入している
い ベンチャーの聖域
競争が激化しないで済む
→ベンチャーが高い利益を確保できる
詳しくはこちら|グレーゾーンはベンチャーの聖域|濃いグレー・薄いグレー|大企業バリアー
5 ホワイト化×大手バリアー決壊現象
法整備により『ベンチャーの聖域』が消失することがあります。
<ホワイト化×大手バリアー解除現象(上記※2)>
あ ホワイト化
法整備によりサービスが『明確に適法』となった
=『グレー』から『ホワイト』に変わった
い 大手バリアー決壊現象
大手企業が参入する
→事業者間の競争が激化する
→サービス提供を維持できない事業者が続出する
『ベンチャーの聖域』が消失した状態と言える
6 ゲリラマーケット×普及途上ボーナス|メカニズム
シェアリングエコノミーでは特有の特徴が現れています。
グレーゾーンやサービス提供者が膨大といったものです。
そして『ゲリラマーケット』という新しい状況が生じています。
詳しくはこちら|シェアリング|ゲリラマーケット|基本|膨大×ミニマムコンプライアンス
ゲリラマーケットの初期段階では特有の現象が生じます。
<ゲリラマーケット×普及途上ボーナス|メカニズム(上記※3)>
あ タイミング
ゲリラマーケットの普及の初期段階
い 客観的事情
『サービス提供』自体は容易である
=障壁は少ない
う 主観的事情
大部分の人は『サービス提供』をする発想まで至らない
え 普及途上ボーナス
ごく一部の方だけがサービス提供に参入している
サービス提供者間の競争が少ない
→利益が非常に大きい
→周辺サービスも発展する
民泊サービスがまさに,普及途上ボーナスを得ている状況でした。
周辺サービスの拡がりについては別に説明しています
詳しくはこちら|民泊・周辺サービス|全体|管理・トラブル対応サービス
7 ゲリラマーケット×普及段階|利益激減現象|メカニズム
普及途上ボーナス期を終えると『利益激減現象』が生じます。
<ゲリラマーケット×普及段階|利益激減現象|メカニズム(上記※3)>
あ タイミング
サービスの認知度が高くなった段階
い 認知度アップ|プロセス
実際のサービスが拡がる
マスメディアで報道される
う 競争適正化
サービス提供に興味を持つ人が急増する
→サービス提供者間の競争が『適正化』する
→淘汰メカニズムが稼働する
→利益が本来の均衡に近づく
一般的なサービスマーケットの均衡状態である
え 相対性理論|見かけの利益激減
『普及初期ボーナス期』からの変動は『利益激減』である
本来は『普及初期ボーナス期』の方が特殊な状況であった
8 構造的人口増加|人口ボーナス
『人口ボーナス』という現象は古くから指摘されています。
これは長期的なスパンでの需要変化です。
上記のような『急激』なものではありません。
その代わり,変動の幅,つまり規模は非常に大きいです。
トラディショナルな説明を紹介します。
<構造的人口増加|人口ボーナス(上記※4)>
一国の人口構成で,子供と老人が少なく,生産年齢人口が多い状態。
豊富な労働力で高度の経済成長が可能。
多産多死社会から少産少子社会へ変わる過程で現れる。
※小学館|デジタル大辞泉|引用