【囲い込み|原因=両手の誘惑|具体的方法】

1 『両手』×『囲い込み』|不正手段
2 囲い込み×具体的方法|ノーマル
3 囲い込み×具体的方法|アドバンスド
4 囲い込み×具体的方法|一般客大歓迎
5 囲い込み×売主の損害|利益移転
6 囲い込み×法的責任|概要

1 『両手』×『囲い込み』|不正手段

仲介業者は『両手』への強い誘惑にさらされています。
詳しくはこちら|仲介業者の不正|全体|片手と両手・両手の誘惑・ダブル両手

『両手』を実現する不正な手法があります。

<『両手』×『囲い込み』|不正手段>

あ 元付業者の立場
売却ルート 買主からの仲介手数料
買付の仲介業者を通す 得られない=片手
直接購入者(エンド)に売却 得られる=両手
い 元付業者のモチベーション

『買付業者の介入』を阻止すれば『両手』獲得となる
買付業者介入を阻止する誘惑が強い
買付業者介入の阻止は容易である(後記※1

2 囲い込み×具体的方法|ノーマル

元付業者は『買付業者を介入させない』ことで売上が2倍になります(前記)。
買付業者の介入を阻止する方法・実態をまとめます。
なお,ネーミングについては別に説明しています。
詳しくはこちら|仲介契約|基本|当事者・誠実義務・信頼関係

<囲い込み×具体的方法|ノーマル(※1)

あ 基本的方針

『他の仲介業者』から買いの希望・連絡が来た場合
→紹介を拒否する

い 拒絶スクリプト|ノーマル

『既に話が入っています(交渉中・商談中です)』
『既に客が付いている』
『契約確定したので削除するところだった』(蕎麦屋の出前の逆方式)
『契約済』
『売主が忙しい』『海外旅行中です』
『しばらく内見ができません』

3 囲い込み×具体的方法|アドバンスド

囲い込みは悪質性が話題になりつつあります。
それに伴い,テクニックも高度化・巧妙化します。
進化したスクリプトもありふれてきました。

<囲い込み×具体的方法|アドバンスド(※1)

あ 前処理

他の仲介業者から買いの希望・連絡が来た場合
→内見の予約を取る

い 拒絶スクリプト|カモフラージュ|例

内見予定日当日に断る
『オーナー/仲介業者が急遽外出することになった』
『オーナー/仲介業者が立ち会えなくなった』

う 拒絶誘導|不安感作出

ア 基本 オーナーが断るように仕向ける
イ スクリプト|例 『内見希望が入りました。
ただ,無名な業者です。
売買ではいろいろなトラブルが発生することが多くてね。
安心感では大手が良いのですよね。』
→オーナー『では断ってください』

不動産仲介業者の新人向けマニュアルのようになってきました。

4 囲い込み×具体的方法|一般客大歓迎

比較の意味で,一般客向けのスクリプトをまとめます。

<囲い込み×具体的方法|一般客大歓迎>

あ 基本方針

一般客=エンドユーザーから買いの希望・連絡が来た場合
→紹介大歓迎

い スクリプト|例

『内覧可能です!いつご覧になりますか!?』

買手を探すミッションを負った者として当然の対応です。
本来は,相手が業者でもこの対応をすべきなのです。

5 囲い込み×売主の損害|利益移転

言うまでもないですが,囲い込みは『売主に損害』を与えます。
仲介業者の利益の分,ユーザーが損しているということです。

<囲い込み×売主の損害|利益移転>

あ 売主の希望→犠牲になる

次のような売主の希望は犠牲になる
ア 早く売却したいイ 『より高く=目標の価格で』売りたい

い 仲介業者→利益を得る

『客付』側の手数料約3%も獲得できる

う 利益相反

売主の利益よりも仲介業者自身の利益が優先される
利益が『売主から仲介業者に』移転した状態である

6 囲い込み×法的責任|概要

囲い込みは売主に損害を与える非常に悪質な行為です。
当然,法的にも責任を生じます。
法的な責任にはいくつかの種類・内容があります。
これについては別に説明しています。
詳しくはこちら|囲い込み・その他の不正×法的責任|行政/刑事/民事責任

<参考情報>

『週刊ダイヤモンド』2015年3月7日p51〜
『週刊ダイヤモンド』2015年4月11日p102〜
『週刊ダイヤモンド』2015年4月18日p8〜

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【囲い込み・両手仲介が違反する法令(REINS登録義務・双方代理禁止)】

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