【表示規約による表示開始時期・建築条件付の表示・表示事項の規制】
1 広告開始時期・建築条件付取引・表示事項(総論)
2 未完成物件の広告表示の開始時期の制限
3 建築条件付土地取引に関する広告
4 必要な表示事項(主要項目)
1 広告開始時期・建築条件付取引・表示事項(総論)
公正競争規約として不動産業界の自主的ルールが規定されています。その中に広告・表示を規制する表示規約があります。
詳しくはこちら|不動産の公正競争規約(表示規制と景品規約)(全体)
表示規約の中に,広告表示時期や建築条件付取引に関する表示の規制や『表示事項』の規定があります。
本記事では,これらの内容について説明します。
2 未完成物件の広告表示の開始時期の制限
一定の状態の不動産は広告・表示を行う『時期』についての規制があります。この規制内容は宅建業法にも同様の規定があります。いわゆる未完成物件の表示とも呼ばれます。
<未完成物件の広告表示の開始時期の制限>
あ 対象となる取引
宅地の造成工事
建物の建築工事完了前の宅地or建物の売買
い 禁止する広告
次の手続の完了前は広告を禁止する
開発許可
建築確認
宅建業法33条と同様の規制内容である
※表示規約5条
3 建築条件付土地取引に関する広告
単純な売買契約ではない方式の取引がいろいろあります。典型例の1つが,建築条件付の取引です。これについては,広告内容の規制があります。
<建築条件付土地取引に関する広告>
建築条件付土地の意味
宅建業者が所有する土地の販売に次の条件が付いている
売主or売主が指定する建設業者と購入者の間に
一定期間内に建築請負契約が成立する
広告規制
次の事項を明示する
ア 取引の対象が建築条件付土地であるイ 建築請負契約を締結すべき期限ウ 契約不成立時の全額返還
建築条件が成就しない場合において
土地売買契約は解除される
土地購入者から受領した金銭はすべて遅滞なく返還する
受領した金銭の名目のいかんに関わらない
エ 建物の設計プランに関する事項
・設計プラン採否の自由
設計プランを採用するか否かについて
土地購入者の自由な判断に委ねられている
・設計プランの費用
建物の建築代金
これ以外に必要となる費用の内容と金額
※表示規約6条
4 必要な表示事項(主要項目)
不動産の購入を考える方にとって重要な,基本的な事項は,記載が欠けていることは望ましくありません。そこで,一定の基本的事項については『必要な表示事項』として指定されています。この中の主要な項目をまとめます。
<必要な表示事項(主要項目)>
取引の内容によって一定の事項の表示が必要となる
対象事項は次の事項について規則で定めたものである
ア 広告主イ 物件の内容
所在地・規模・形質など
ウ 取引条件
物件の価格など
エ 物件の利便・環境
交通の便など
オ その他
※表示規約8条,施行規則4条,別表1〜10