【SNS・オンライン×過剰な悪評・disり→違法となる|損害賠償・差止請求】
1 SNS・オンラインの悪評掲載|基本|悪評は止められない
2 SNS・オンラインの悪評掲載|違法事例
3 違法な『悪評』×法的責任の種類
4 違法な『悪評』×法的手続・対応方法
1 SNS・オンラインの悪評掲載|基本|悪評は止められない
SNS・オンラインで商品・サービスの『悪評』が掲載されることがあります。
この場合の法的な扱いの基本部分をまとめます。
<SNS・オンラインの悪評掲載|基本>
あ 事例
飲食店を利用した顧客が,料理の画像を撮影していた
店としては承諾している
その顧客が,店舗名や料理の画像とともにSNSで『食べた感想』を記載している
内容がネガティブなものである
い 法的判断|基本
一般的に『表現』は尊重される
→原則として『適法』である
ただし特殊事情により『違法』となることもある
※憲法21条;表現の自由
料理を提供した側から見ると『悪口』として,心穏やかではないかもしれません。
しかし,『感想・意見を表明すること』これ自体は尊重されています。
憲法上,言論,表現の自由は重要な人権とされています。
民事的に人権が直接適用されるわけではないですが,尊重されます。
ただし,極端なケースでは,例外的に違法となります。
2 SNS・オンラインの悪評掲載|違法事例
『悪評』の掲載・投稿が例外的に『違法』となるケースをまとめます。
<SNS・オンラインの悪評掲載|違法事例>
あ 客観的な事実と異なる
要するに,意図的,悪質なウソというケース
例=『注文後1時間待たされた』,『写真と違ってトロのネタが3センチしかなかった』
い 『過剰』な『評価』
いわゆる『disり』として強烈なもの
例=『人間が食べられる味ではない。作った人は地球人の味覚を持っていない。動物レヴェル』
う 影響が極端に大きい
これはあくまでも違法性判断の1つの要素という位置付けである
影響が大きい場合,違法となる可能性も高まる
逆に言えば,ある程度『悪質』でも,『影響がゼロに近い』場合は,違法性なしとなることもある
表現の違法性判断については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|違法な表現行為×民事責任|判断基準|損害賠償・差止・削除・謝罪広告
3 違法な『悪評』×法的責任の種類
『悪評』の掲載・投稿が『違法』である場合は,法的責任が生じます。
主なものは不法行為による『損害賠償・表現行為の差止』です。
法的責任の種類については別記事で説明しています。
<→詳しくはこちら|
詳しくはこちら|撮影・誹謗中傷投稿×法的責任の種類|判断基準の概要
4 違法な『悪評』×法的手続・対応方法
違法な『表現』に対して行う法的手続・対応はいろいろな工夫が必要です。
初期段階では警告的な削除要請や発信者情報開示請求などがよく活用されます。
このような,実際に行う法的手続については別記事で説明しています。
詳しくはこちら|SNS・オンライン×誹謗中傷・対応まとめ|特徴・対応の選択肢・削除請求