【自動車運転代行業の規制(自動車運転代行業適正化法)】
1 自動車運転代行業の定義
2 営業の時間帯と対象顧客
3 サービスの参入規制=認定制度
4 無認定営業の罰則
1 自動車運転代行業の定義
自動車の運転代行サービスは昭和50年頃から存在していました。
平成14年から法規制が施行されています。
本記事では,運転代行サービスの規制について説明します。
最初に,規制の対象となる『自動車運転代行業』の条文上の定義をまとめます。
<自動車運転代行業の定義>
あ 基本的事項
『い〜お』のすべてに該当する営業
→『自動車運転代行業』である
い 運転の代行
他人に代わって自動車を運転するサービスを提供する営業である
う 夜間・酔客を中核とする
主として,夜間において酔客(か)に代わって自動車を運転するサービスを提供する(後記※1)
え 顧客の乗車
サービスの提供を受ける者を乗車させる
お 並走
常態として,代行運転をする自動車に営業用の自動車が随伴する
か 『酔客』の定義
客に飲食をさせる営業を営む者から酒類の提供を受けて酒気を帯びた状態にある者
※自動車運転代行業適正化法2条1項
2 営業の時間帯と対象顧客
自動車運転代行業の定義の中の1つとして,営業の時間帯と対象顧客の属性があります(前記)。
この解釈について,文献の見解をまとめます。
<営業の時間帯と対象顧客(※1)>
あ 条文の文言の解釈
『主として』は,『夜間において』と『酔客に代わって』のいずれをも修飾している
い 要件の解釈
営業の中核が『夜間において酔客を対象とする』ものを意味する
→これに該当すれば規制の対象となる
う 具体例
昼間に営業する,酔客以外の者を対象とすることがある
→この場合でも『い』に該当すれば規制対象となる
※運転代行法令研究会『改訂版 自動車運転代行業適正化法の解説』大成出版社2004年p14,15
3 サービスの参入規制=認定制度
自動車運転代行業の参入規制として認定制度がとられています。
<サービスの参入規制=認定制度>
自動車運転代行業を営もうとする者
都道府県公安委員会の認定を受けなければならない
※自動車運転代行業適正化法4条
4 無認定営業の罰則
自動車運転代行業に該当するサービスを認定を得ずに行った場合の罰則をまとめます。
<無認定営業の罰則>
あ 構成要件
認定を受けずに自動車運転代行業を営んだ
い 法定刑
罰金30万円以下
※自動車運転代行業適正化法32条1号